12包入りで一箱1500円ほどのダスモックは、決して安い商品ではない。では、なぜダスモックはそれほど人気となっているのだろう?表面的に見ると、そこには多くのマーケティングの要素が関係している。まず、煙霧が健康に与える悪影響に対する関心が高まっているのを背景に、その分野に対する意識も高まっており、小林製薬は、PM2.5で空が白くかすんだ写真が入ったPOPで宣伝して、そのような消費者の心理を掴んでいる。しかし、もっと深い部分を考えると、「ブランド力」に要因があるだろう。日本で代理購入されている商品で、中国で人気となっている商品には、ダスモック以外に、小林製薬の蒸気アイマスク、熱さまシート、痛みどめ、軟膏剤などがあり、数多くの商品が高い評価を得ている。このような「ブランド力」があるからこそ、新しい商品の宣伝を見ると、消費者はすぐにその効能を信じる。そして、その商品が実際に症状を緩和させてくれると、その人気はもっと高くなり、さらに商品の売り上げが伸びる良い循環となる。漢方薬が人気を博していることについて、日本のある製薬会社の社長は、「漢方薬は『中国』というイメージがあるが、肝心なのは生産する際に生薬の成分をしっかりと分析し、細部に至るまで測定を行うほか、成分を組み合わせる方法や加工方法、商品化の形式などについても熟考しなければ、商品に対する信頼を向上させることはできない」と総括している。この言葉に問題のキーポイントが含まれているのではないだろうか。
中国にも、海外でも注目される「神薬」があるのだろうか?昨年、中国のある痔の治療薬が米国アマゾンで大人気となっているという報道があった。では、中国には海外でも広く認められている中薬のブランドがあるだろうか?「同仁堂」はその一つかもしれない。しかし、総じて言うと、米国で人気となったのは単一の商品で、「同仁堂」も市場の需要に対する反応は鈍い。そのため、海外での評価、少なくともそのブランド力という面では、小林製薬などとはまだ大きな差がある。さらに、一部の企業はマーケティングの面で、鳥インフルエンザでも煙霧でも、「これさえあれば全ての問題を解決できる」と言わんばかりに、未だに「万能薬」をすすめる傾向がある。これは消費者に対して責任感ある態度とは言えず、長い目で見ても、ブランドを維持することも商機をつかむこともできないという点は、目に留めるべき問題だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年1月17日
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