中国では冬になり大気汚染が原因の煙霧に悩まされる日が多い一方で、小林製薬のような日本の製薬企業は「特需」に沸いているようだ。このような見方に驚きを感じるかもしれないが、決してネットユーザーのジョークでも、デマでもない。ある日本メディアの報道によると、小林製薬は、訪日中国人観光客にターゲットを絞り、漢方薬「清肺湯ダスモック」の生産量を2017年、16年と比べて3割増やす計画だ。そして、中国語で「大気汚染にぴったり」と記載した専用の店頭販促(POP)を作成し、中国人観光客がよく訪れるエリアにある、約60店のドラッグストアで掲示するという。日本の漢方薬の原料の約8割は中国から輸入されていることを考えると、このようなニュースには少し複雑な気持ちを覚える。(文:子長。南方日報掲載)
ネット上で少し検索して見ると、日本の漢方薬は、対象部位や使用量、作り方、生産などの面で明らかな差はあるものの、中国の「中薬」と酷似しており、どちらも中国伝統の医薬理論を基礎に、自然の植物を主な原料として作られている。関連の報道を見ると、近年、中国が国を挙げて「煙霧」の対策・改善に取り組む中、ダスモックは発売開始から人気がウナギ登りになり、中国人観光客に人気の代理購入商品になっているだけでなく、いくつかの記事では煙霧対策に効果的な「神器10」にも名を連ねている。しかし、よく調べてみると、漢方薬の「ダスモック」は主に慢性気管支炎、気管支喘息(ぜんそく)などに効果があり、日本国内ではそのターゲットは40-50歳の喫煙者で、宣伝文句のように本当に「大気汚染にぴったり」なのかは、専門家でない限りよく分からない。また、中国では最近、中薬が煙霧対策になるのかに関する専門家の見方が報じられた。先週は、河南中医薬大学が、専門家を招いて煙霧対策の中薬を調合してもらい、学生たちに無料で配布したことが話題になり、中薬を専門とするある教授が、「中国医学による治療により、煙霧が原因ののどの痛みやかゆみ、せきなど、呼吸器の不調を軽減することはできるものの、病理学的に本当に有効なのかは、さらなる研究が必要」との見方を示した。
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