最近、日本のアパホテルが一気にメディア報道の「焦点」に躍り出た。この「焦点」はプラスの「焦点」ではない。同ホテルを擁するアパグループの元谷外志雄社長(ペンネームは藤誠志)が自著(日英両言語)をホテルの客室内に置いたというもので、本来はニュースメディアが追いかけて報道するようなことではないが、その著作は右翼史観を称揚するもので、「誰にも言えない国家論」や「誇れる祖国 日本復活への提言」などは、南京大虐殺や慰安婦といった確かな証拠が山のように存在する歴史的事実を否定するという荒唐無稽な観点に充ち満ちている。こうした行いは当然のことながら、正義に基づく歴史観を抱いた中日両国のすべての人々の怒りを引き起こした。良識を備えた人であれば、第二次世界大戦中に日本の軍国主義が犯した数々の暴力行為を否定する元谷社長の言論に対して軽蔑と怒りのまなざしを向けるに違いない。
元谷社長はビジネスマンであり、ビジネスの世界でビジネスにいそしみ、身の程をわきまえ、ホテル経営ビジネスに精を出していればよかった。だがこのたび激しい社会的論争の最前線に立たされたのは、「人々の怒りの琴線」にふれたからであり、中日両国の民間友好交流における「人々の怒りの琴線」にふれたからだ。
ここ数年、日本は観光産業の発展に力を入れてきた。その中で大勢の中国人観光客が日本を訪れ、日本の観光産業と経済の回復を助ける非常に大きな力を提供してきたといえる。中国人観光客の大量訪問により、日本のホテル産業、外食産業、化粧品産業などは経営が息を吹き返し、元谷社長のアパホテルも大勢の中国人観光客が利用したため、ビジネスを拡大することができた。元谷社長は利用する中国人客に感謝すべきであり、ビジネスの世界にいて政治に言及するべきではなく、ましてやホテル経営という看板を掲げながら、「軍国主義の史観を称揚する右翼活動家」のようなことをするべきではない。
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