孫寧さん(音訳)は北京市の四環路を運転しながら「今から10年前、ここには何もなかった」と話す。そして彼のフォルクスワーゲン・ビートルのハンドルをきって、ある小区(団地)へ入っていく。車窓から見えるのは、連なるマンション群。「数年前、ここはただの空き地だった」と話す孫さんの声は興奮の色を帯びていた。独日刊紙「ディ・ヴェルト」の報道を引用して参考消息網が伝えた。
中国の新しい建築物についてドイツ系の外国人が語るとしたら、きっとこんな風になるに違いない。
「数年前、ここは古くからある胡同(路地)だったが、不動産デベロッパーが進出し、全て取り壊した。歴史的建築物など全くお構いなしだ。都市は大きくなる一方だが、不動産価格も上がり続けた。三環路と四環路の間にある住宅は、中産階級にとっては手も出ない高嶺の花」。
この点に関しては2種類の異なる見方が存在する。1つは経済を急速に成長させ、富や多くのチャンスを創造した新興工業国家という内部からの見方。もう1つは過去の過ちから教訓を学びとれると確信している富裕社会という外部からの見方だ。しかし後者はポジティブな視点で未来を見据えるということを忘れてしまっている。
そして孫さんが北京市の北部を車で通過した際にその変化に対して見せた純粋なまでの「喜び」を中国では随所で目にすることができる。
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