立春の頃は、暖かったり寒かったりする。春節(旧正月、今年は1月28日)連休後、人々は続々と「勤務モード」を再開しつつある。だが、李卉さん(25)は相変わらずのんびりと、家族と旅行の計画を立てている。中国新聞網が伝えた。
「最近、就活する気持ちはなくなった。ゆっくり休んで自分のコンディションを整えることの方が大事だから」-多くの同年代の若者と同じように、大学院を卒業した李さんは、「待機族」の一人になった。他の人々と違う点は、卒業後半年間、李さんは焦って就職しようとは思わなかったことだ。空いた時間を十分に活用して読書や旅行を楽しむ李さんは、「就職する前に、私は気持ちの上でターニングポイントを迎えた」と話す。
数年前からの「就職難」状況のもと、多くの卒業生は就職に焦ることなく、遊学、僻地での教育事業支援、大学院受験、起業準備といった道を選んだ。「卒業後すぐに仕事」という観念はだんだんと薄くなり、「ゆっくり就業族」や「就業待機族」が徐々に増え続けている。
李さんと異なり、2015年大学卒業生の王麗紅さんは、大きな焦燥感に襲われている。卒業後しばらく、彼女はさまざまな大型就職説明会を巡り歩いたが、し烈な就業競争に心が委縮してしまった。「満足する就業ポストは探せない。でも、不本意な仕事に就くことはもっと嫌」というどうにもならない状況のもと、王さんは出身大学の近くに一人暮らし用の住まいを借り、就活のかたわら大学院入試の受験勉強に励んでいる。
中国教育部(省)が先日発表した統計データによると、2017年、全国普通大学の卒業生は795万人に達する見通しで、留学帰国組や既卒生を含めると、就職希望者はさらに膨れ上がる。ある研究者は、「『最も困難な就職シーズン』の記録が絶えず塗り替えられている状況ではあるが、いわゆる『ゆっくり就業』は一つの自発的な選択肢であり、当事者が今の情勢によってこのような選択を半強制的に迫られているという訳ではない」とコメントした。
王さんは、「盲目的に就活組の大群に入り、過酷な競争をするより、『時差就業』を選択する方が良い。『ゆっくり就業』はやむを得ない方法ではあるが、しばらく立ち止まることで就業のピークを避けることができるだけではなく、今後のキャリア発展についてじっくりと考え、将来進むべき道を選択する時間が増えるというメリットもある」と話した。
実際のところ、「ゆっくり就業」は、海外では特に目新しい現象ではない。欧米の多くの青年は進学・卒業後、あるいは就職前に、「ギャップイヤー」制度を利用している。つまり、すぐに進学や就職をせずに、世界各地を旅行する、ボランティア活動に参加するなどして、見聞と知識の拡大に努めている。
中国における就業観が数年前から転換し始めたことから、「ゆっくり就業」や「ギャップイヤー」という現象も、だんだんと普及してきた。
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