米国のマティス国防長官は先日の訪韓時、「THAAD」を韓国に配備する唯一の理由は朝鮮の「挑発行為」に対するものであり、「他のどの国にもTHAAD配備を懸念する必要はない」と表明した。解放軍報が伝えた。
本当にそうだろうか。米国によるTHAADの韓国配備は他国の利益と地域の安全情勢に本当に影響を与えないのか。軍事科学院中米防務関係研究センターの趙小卓センター長は取材に以下のように指摘した。
米国の主な論拠はTHAADは防御手段に過ぎず、「終末高高度防衛ミサイル」として最長射程は200キロに過ぎず、朝鮮半島を越えることはありえないというものだ。
この論拠は検証に耐えない。1つには、韓国側の直面する脅威は主に低空と中空からのものであり、迎撃高度40~150キロのTHAADは基本的に無用の長物だ。しかもその配備地点を見ると、韓国の政治・経済において極めて重要な地位にあるソウル核心圏はTHAADの防御範囲内にない。
また、THAADシステムには終末迎撃任務を遂行するミサイルだけでなく、早期警戒と誘導・測位を行うXバンドレーダーも含まれる。このシステムには2つの作動モードがある。探知・早期警戒に用いる前方配備モードと、迎撃に用いる終末配備モードだ。両モードは必要に応じて随時切り換え可能だ。前方配備モードの探知距離は1000キロを超える。これは中国の華北、東北地域及びロシア極東地域での発射行動や飛行がその探知範囲内に入るということだ。
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