中国人民銀行(中央銀行)が7日に発表したデータをみると、2017年1月の中国の外貨準備高は2兆9982億400万ドル(1ドルは約112.3円)で、同月に123億1300万ドル減少した。7カ月連続の減少で、外貨準備は11年2月以降で初めて3兆ドルの節目を割り込んだ。専門家は、「人民銀が市場に外貨資金を流し込んで外貨の需給バランスを調節したことが、外貨準備高の減少を招いた主要因だ。債権市場の開放など複数の要因を総合的に考慮すると、2017年には中国の国境を越えた資本流出の規模は縮小し、外貨準備高の減少ペースは鈍化するだろう」との見方を示した。中国証券網が伝えた。
▽「節目」を重視する必要はない
人民銀のデータをみると、17年1月31日現在、外貨準備高は2兆9982億ドルで、16年末比123億ドル減少し、減少幅は0.4%だった。国家外貨管理局関連部門の責任者は、「1月の状況から考えて、人民銀は市場に外貨資金を流し込んで外貨の需給バランスを調節しようとしており、これが外貨準備高の減少を招いた主要因だ」と指摘した。
同責任者は続けて、「旧正月の春節(今年は1月28日)があったため、国民の間で海外旅行や消費活動が活発になり、企業の債務返済や決算などの財務処理も増加し、これにともなって外貨ニーズが高まり、外貨準備高の減少を招く季節的要因となった。国際金融市場では米ドル以外の通貨の対ドルレートが全体として反発しており、外貨準備のうち非ドル通貨を米ドルに換算して報告すると金額が上昇し、このことが外貨準備高の増加を促す主要因になる。また外貨準備の資金運用・回収の多様化も外貨準備高に一定の影響を与える」と述べた。
同責任者はさらに次のように強調した。「実際のところ、外貨準備は1つの連続変数であり、複雑で多様に変化する国内外の経済・金融環境の中で、外貨準備高が上下動するのはごく当たり前のことで、いわゆる『節目』を特別に重視する必要はない。絶対的な規模からみても、その他の充足した指標から考えても、中国の外貨準備高にはゆとりがあるといえる。現在、中国経済における中高速成長の持続、経常項目の黒字の維持、財務状況の好転、金融システムの安定といった基本的側面には変化がなく、こうしたプラス要因はいずれも人民元が安定した強い通貨となるよう継続的に支えており、外貨準備高が合理的でゆとりある水準を保つよう促進している」。
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