米国のトランプ大統領が8日、中国の習近平国家主席宛てに書簡を送ったことに、国際世論は大変注目している。一通の書簡に多くの解釈が生じることは、中米関係の重要性を十分に示し、トランプ大統領就任後の中米関係の行方に各方面が敏感であることを物語っている。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
書簡はまず儀礼的で、トランプ大統領就任を祝う習主席の書簡に謝意を表すとともに、中国の節日と祝った。次に実質的意味を持ち、習主席と「共に中米の建設的互恵関係を推進する」意向を表明した。
「建設的」と「互恵」が書簡のキーワードだ。これはトランプ大統領のこれまでの対中発言の基調と比べると大きく違う。このような姿勢表明は、米政権が交代したばかりで、中米関係に不確定性が多い中、明らかに別の意味合いがある。
もちろん、このような1通の書簡をもってしてトランプ大統領の対中政策の風向計、中米関係のバロメーターとするには不十分だ。トランプ政権の対外政策はなお形成過程にあり、これは当然大きな論争を伴う。また、トランプ大統領は対外政策・行動の「曖昧性」と「予測不可能性」を保つつもりかもしれない。
現段階では、中米関係の「建設的」と「互恵」を確保するには、中米双方は3つのレベルの問題をうまく処理する必要がある。二国間の具体的問題、地域及びグローバルな問題、台頭する大国と守成する大国との関係の問題だ。トランプ政権期間の中米関係の行方を判断するには、具体的問題を見ると同時に、大勢、大局を見る必要がある。
第一に中米関係の発展だ。1972年以降、米国の歴代大統領の対中政策には様々な揺れがあった。だが中米が互いを必要とし、協力を柱とする基本が変わったことはないし、変わることもない。ニクソン氏は反共で有名だったが、中国を訪問し、「世界を変えた一週間」をとくとくと語った。もう一人の強い反共感情を持っていたレーガン氏は、第三次米中共同声明を発表するとともに、緊密な戦略関係へと発展させた。クリントン氏は執拗に人権と貿易をリンクさせようとしたが、最終的には自ら切り離した。中米関係の40年余りの発展を経て、双方の利益融合はかつてない幅と深みに達している。こうした中、双方は協力すれば共に利し、争えば共に傷つく。
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