日本のエッセイスト黒柳徹子さん(84)の代表作である自伝的物語「窓ぎわのトットちゃん」の姉妹作「不思議の国のトットちゃん」がこのほど、中国の新経典文化から刊行された。同作品では、「トットちゃん」というあだ名の黒柳さんの成長の過程や、いろんな人に出会い、視野が広がったことがユーモアを織り交ぜながら綴られている。同作品を読むと、温かい気持ちになることができる。(文:許暘。文匯報掲載)
80歳を過ぎた黒柳さんだが、「トットちゃん」の物語を綴る筆は停まる気配がない。1981年に刊行され大ヒット作となった「窓ぎわのトットちゃん」と、それから20年以上経った2005年に日本で発売された「不思議の国のトットちゃん」は、互いに補足し合い、その内容は調和して一貫している。子供のころから大人になるまでの過程がつながり、さまざまなエピソードの細かい点までがはっきりと綴られている。
尊重され理解される子供は人格が整えられる
黒柳さんが通学したトモエ学園を舞台に、小学生時代などを綴った「窓ぎわのトットちゃん」は日本での累計販売部数が約1000万部に達し、35ヶ国で翻訳された。さらに、世界中で大きな反響を呼んだ。中国語版(簡体語)の「窓ぎわのトットちゃん」は2003年に発売されてからこれまでに販売部数が960万部に達した。その舞台となっているサプライズや愛に満ちたトモエ学園は、多くの子供のあこがれの場所となっている。
お茶目な「トットちゃん」に胸をときめかせているというより、多くの子供は尊重され、理解されることを強く願っていると言えるだろう。また、多くの子供は、その枕元に「窓ぎわのトットちゃん」を置き、悩ましい青春時代の心の支えとしてきた。実際、黒柳さんには「トットちゃん」の面影が今も残っている。黒柳さんは「トットちゃん」の成長を綴ることで、自分を客観的に見ている。
「不思議の国のトットちゃん」では、「トットちゃん」の子供のころにスポットが当てられているわけではないが、いろんなエピソードを通して、成長の過程におけるいろんな疑問が綴られ、大人になった「トットちゃん」も世界に興味津津となる。遠くに足を運べば運ぶほど、「トットちゃん」の疑問は増え、もともと伸び伸びと育った彼女は、生活の至る所に隠れている素晴らしいものに心を打たれる。
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