中国の留学サービス機関「啓徳教育」が取りまとめた調査データによると、2012年から2016年まで、大学学部・高校・初等教育課程にある学生のうち留学を希望する人の割合は、13ポイント増加して36%に達した。カナダに留学する学生のうち、カナダの小中高・大学に入学を申請する人の割合は30%を上回った。中国人学生の主要留学先国への留学の低年齢化が進む中、カナダがその先頭を走っている。中国新聞網が報じた。
啓徳教育湖南地区の某担当者は、次の通り指摘した。
「就業競争が過激し、中国人の教育に対する概念が変わっていくにつれて、留学が一般的な中国人にとって、普遍的な選択肢の一つとなった。そして、サラリーマン世帯の所得増加が続いていることから、留学の低年齢化に拍車がかかった」。
「北京・上海・広州・深センなど一線都市のほか、中国の二・三線都市においても、留学市場はますます発展しており、留学という選択肢は、今や四線都市にも浸透しはじめた」。
8年前から留学関係の仕事に携わっている張鳳氏は、「留学の低年齢化という傾向が高まった背景には、海外教育および海外入試制度のハードルが低くなり、合否決定における指標が多様化し、学生の社会実践力の育成をより重視するようになった流れがある。中国の保護者も子供の留学のタイミングをより早め、子供の語学力や自立能力を高めることを希望している」と話した。
湖南にある複数の大手留学機関によると、湖南でも、留学の低年齢化はこの5年近くでいっそう顕著になってきており、海外の中学・高校・大学学部で学ぶ学生の増加幅は、海外大学院で学ぶ学生を上回っている。沿海都市の蘇州では、現地の大手留学仲介機関が取り扱う年少の留学生数は、50%の増加率で着実に増えている。
金吉列留学長沙支社英国第一部マネージャーの李娜氏は、「年少の留学生は、オーストラリア、英国、米国、韓国、カナダなどの教育強国に留学するケースが多い。中国人留学生は、数量的に増加し続けているだけではなく、その構造にも新たな変化が生じており、高校生と中学生の留学生数が明らかに増加している」とコメントした。
留学の低年齢化の趨勢は、日ごとに顕著になってきており、一部の海外名門校が中国にやってきて留学生を誘致するまでになった。英国のエリート中学・高校10校の校長が訪中団を結成し、2月17日から25日まで、北京・石家荘・天津・上海など11都市を訪れて巡回展を開催した。張鳳氏は、「各校は軒並み、早めに受験者を獲得することに努めている。また、年少の留学生は新たな成長スポットとして注目されている」と指摘した。
「留学の低年齢化ブームが進むと同時に、『留学生の言語力がおぼつかないため、コミュニケーションの壁に直面する』、『海外での生活や学習環境に適応できず、学習意欲が無くなり、精神的な問題を抱える』といった潜在リスクもだんだんと浮上するようになっている」と張氏は続けた。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年3月1日
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