中国人民政治協商会議第12期全国委員会第5回会議(全国政協第12期第5回会議)に出席する全国政協委員、中国航天科技集団公司第五研究院月探査衛星総指揮兼チーフデザイナー顧問の葉培建氏によると、中国の月探査機「嫦娥5号」は現在ほぼすべての大型試験を完了している。任務が複雑なことから、8月に発射場に移り、総合テストを行い、年内の月サンプル収集・帰還任務に向け準備を整える予定だ。新華社が伝えた。
葉氏によると、嫦娥5号には主に軌道モジュール、帰還モジュール、上昇モジュール、着陸モジュールが含まれる。中国が現在開発しているうち最も複雑な探査機であり、そのサンプル収集、離陸・上昇、ドッキングなどの任務が最も困難になるということだ。
月面から離陸する際には、上昇モジュールが着陸モジュールの上部から離陸するため、着陸機に火炎が当たることになり、それが上昇モジュールの力を妨げる可能性がある。そのため上昇モジュールを上手く制御することが、大きな難点となる。
また、上昇モジュールと軌道モジュールのドッキングにも、課題がある。前回、宇宙実験室「天宮2号」と有人宇宙船「神舟11号」がドッキングした場所は、地球から393キロしか離れていなかったが、嫦娥5号は数十万キロも離れた地点でのドッキングとなり、より正確な制御が必要となる。
嫦娥5号は11月末頃に、中国最大推力の長征5号ロケットにより、中国文昌航天発射場から打ち上げられる計画だ。打ち上げ後は月に向かい、月面着陸し、サンプルを収集し、地球に帰還する。順調に進んだ場合、1ヶ月で任務を完了し、年内には月の土壌2キロを地球に持ち帰ることができるということだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年3月2日
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