中国の各大都市では、ヘルメットをかぶり、電動スクーターに乗った食事宅配員が、ランチタイムにビジネス街をせわしなく行き来して、麺類や羊肉串を腹ペコサラリーマンたちに届けている光景を頻繁に目にする。このように、廉価な労働力と食事宅配アプリが結び付いたことで、オフィスのランチタイム形態は劇的に変わってきている。米ウォールストリートジャーナル紙の報道を引用して参考消息網が伝えた。
食事宅配の三大プラットフォームはいずれも、全国各地で、安価で多様なマーケティング戦略を講じている。その結果、競争のプレッシャーは、宅配員の宅配スピードに大きくのしかかることになる。そして、これらの宅配員の多くは、「デリバリー兄貴」と呼ばれる若者だ。
若い女性たちは、笑いながら、「デリバリー兄貴の方が自分の彼氏よりもっと優しく気遣ってくれる。彼氏と違うところは、デリバリー兄貴は、頼めば必ず引き受けてくれる点だ」と話す。
宅配員の1日は午前10時前から始まる。電動スクーターにまたがり、都市広場に駆け付けて、集まった仲間とともにやる気が起きるようなスピーチを聴く。食事宅配プラットフォーム各社には宅配員用の制服がある。「Eleme」は紺色、「美団点評」は黄と黒のボーダー、「百度外買」は赤い制服だ。
食事宅配員の月給の一部は、配達件数による歩合給だ。だから彼らは、1件でも多く配達しようと日々躍起になって働いている。
彼らはスマホで注文を受ける。顧客が彼らの勤務ぶりを評価するシステムがあり、評価が平均レベルより低いと、クビになる可能性がある。
呉さん(31)は、上海美団で食事宅配の仕事をしている。忙しいランチタイムには、1時間に7件の宅配をこなす。呉さんは、「人手が足りないときは、1時間に10件届けることもある。これはさすがにキツい。もし配達時刻に遅れたら、お客さんに怒られる。こちらひたすら謝るしかない」と話した。
このような新たな食事スタイルは、中国人の飲食嗜好と関係が深い。圧倒的多数の中国人は、冷え切ったサンドイッチではなく、できたてほやほやの食事を好む。これまでは、このような傾向から、中国人はたいていオフィスから出て外で昼食を食べていた。だが、仕事のリズムが速くなるにつれて、ランチを外に食べに行くという習慣が衰退の危機に見舞われるようになった。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年3月30日
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