宅配用容器を掲げて飛ぶように階下に駆け下りると、今度は猛烈な勢いで階段を駆け上がって注文品を届ける。瞬く間に商業ビルの1階にたどりつき、スクーターに飛び乗って人混みの中に消えていく。春節連休後から、50歳前後の「デリバリー中年」が上海の街頭のあちこちで見かけるようになった。とてもエネルギッシュな彼らを、多くの人々は、「金儲けの才があり、努力を惜しまない彼らは、『デリバリー青年』の上を行っている」と評している。北京晨報が伝えた。
今年50歳の宋さん(女性)は、春節連休後、東北部の黒龍江省にある実家から上海に出てきた。静安区に住まいを借り、見つけた仕事は、デリバリーの仕事だった。上海に来たばかりで知人もおらず現地の地理にも不案内だった彼女は、2、3日間をかけて住まいの周辺を歩き回り、「共和新路」、「場中路」、「汾西路」、「保徳路」がどの道かを、十分に習得するまで勉強した。旧暦1月9日から、宋さんはデリバリーの仕事をスタートした。最初の2日間、彼女の配達スピードはやや遅く、配達件数は1日30軒にとどまった。だが、4日目以降は、スピードが俄然速くなり、1週間たつと配達件数は1日40軒を上回るようになり、最も多い日で48軒に達した。宋さんの体力は素晴らしく、1度に両手で20個以上の宅配容器を持ち、建物の6階まで駆け上がることができる。配達作業は3、4時間連続しても平気で、休憩は取らない。仕事を始めてわずか20日間で、彼女は近隣でちょっとした有名人になった。
宋さんは、「毎日10時間から12時間働き、休日はない。仕事は大変だが、かなりの儲けになり、とても楽しい」と話す。彼女は指折り数え、春節連休後1ヶ月で、1万元以上を稼ぎ、年間収入は12万元を下らないだろうと見込んでいる。
広告掲載サイト「百姓網」の統計データによると、同サイトに春節連休後に掲載された「デリバリースタッフ」の募集広告件数は、連休前のオフシーズンより10倍以上増加、応募があった履歴書の数は11倍に増加した。応募者の多くは1990年代生まれの若者だが、40歳から60歳の中年男女も全体の約10%を占めた。中年の応募者は、女性より男性の方が多かった。
百姓網を含む多くのマンパワー専門家は、「求人数が多く、収入が高いことが、中年男女がデリバリーの仕事に就く主な動機になっている」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年3月14日
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