易観智庫は30日、「2016年第4四半期中国第三者決済・モバイル決済市場監査報告」を発表した。そのデータによると、2016年第4四半期に、中国の第三者決済・モバイル決済市場の取引規模は12兆8000億元(約207兆円)で、前月比41.7%増、前年比126%増に達した。
インターネット決済市場全体と比較すると、モバイル決済市場はより高い市場集中率を見せており、市場占有率の9割以上を支付宝(アリペイ)と財付通(TenPay)が占めている。易観智庫の統計によると、支付宝の第4四半期における市場シェアは54%に達し、この四半期で前月比を再び上回り、3.7ポイント上昇。依然としてトップに立っている。微信支付(WeChatペイメント)やQQウォレットを含む財付通の市場占有率は37%で、支付宝に対する競争のプレッシャーを保ち続けている。
易観智庫の分析によると、モバイルECはすでに支付宝の取引規模を支える重要な一部分となった。アリババ・グループ(阿里巴巴)の2016年度第三四半期業務報告によると、モバイル決済による収入は前年同期比73%増で、モバイル決済が全体の収入の80%を占めるようになった。アリババプラットフォームは唯一の第三者決済チャンネルとなり、 「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)期間中、支付宝のモバイル決済による取引額は全体の82%に達した。そのほか、外出やデリバリー、ビジネス旅行などのさまざまなシーンにおける取引の規模が増加し続けており、支付宝は第三者サービスシーンにおける発展をさらに進めている。そのほか、支付宝はモバイル決済におけるパートナーとの提携戦略を打ち出しており、強力な援助により支付宝のオフライン取引量は明らかに上昇した。
一方では、完全な総合金融サービスシステムという名目のもと、支付宝の金融関係の取引額は前四半期と比べて安定している。公開された情報によると、昨年12月末に、支付宝系の金融商品「余額宝」の収益率は増加の一途をたどり、再び3%の大台に乗り、その規模は8000億元(約13兆円)に達した。さらに、消費者ローンサービス「花唄」のユーザー数は「ダブル11」前夜に1億人を突破した。この2大金融サービスは支付宝の隆盛に対する強力な支えとなった。
微信とQQの2大SNSソフトのサポートのもと、財付通は第4四半期にオフラインモバイル決済の値上げを続け、QRコード決済が進んでいくにつれ、オフライン決済のペイバックキャンペーンによって財付通ユーザーは少額決済をますます頻繁に行うようになった。財付通は第4四半期に、モバイル決済取引規模のオフラインにおける制御力が上昇し、オンラインお年玉(紅包)や振込みなどのSNS上の取引量も急速に増え続けている。財付通の第4四半期における市場占有率は37.02%に達し、第2位となった。
易観智庫によると、全体から見て、支付宝と財付通を合わせた市場占有率は91.12%に達しており、絶対的な主導権を握るポジションにある。両社のメーカーの取引量は急速に増加しており、他のメーカーの取引額がある程度抑えられている。
支付宝はEC取引や余額宝などの金融サービスによる後押しがあり、微信支付はSNS上でのオンラインお年玉のやりとりや、頻繁に使用されて人気となっていることで支えられている。業界関係者は、モバイル決済市場は2大メーカーによる独占状態で、しばらくの間はこの構造を変化させることは難しいとしている。(編集YK)
「人民網日本語版」2017年4月3日
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