中国の海洋観測船「向陽紅09」が5日、中国大洋第38航行段階第1回任務を完了し、有人潜水艇「蛟竜号」と科学調査隊員を乗せて三亜市に帰港した。中国はこの59日間でインド洋北西部の熱水噴出エリアで世界初の有人潜水科学調査を実施し、海底にある「黒い煙突」27ヵ所と多金属硫化物丘、暗黒の生態系に関する発見をした。科技日報が伝えた。
「黒い煙突」は熱水噴出孔で、高濃度鉱物を含む黒煙が噴出することから、この名で呼ばれている。中国は2012年以来、同海域で「臥蚕1号」「臥蚕2号」「天休」「大糦」という4ヵ所の熱水噴出エリアを発見している。
今回の任務では上述した4ヵ所の目標調査エリア内で、初となる有人潜水による詳細な調査を行い、岩石、硫化物、金属を含む沈積物、底層水、熱水流体などのすべてのサンプル種類を収集した。また近海底高解像度測量・スキャン作業を行い、水温や溶存酸素などの物理化学環境データを測量した。多くの高画質映像・画像を入手し、海底熱水活動の正確な位置、その特徴と範囲を確定した。
同任務首席科学者の韓喜球氏は、「得られた科学調査成果により、熱水エリアのマグマの作用とその変化、熱水の作用とその変化、硫化物の造鉱作用、硫化物資源や微生物遺伝資源潜在力などの研究の先駆けとなり、関連科学研究の認識水準を高めるため重要な基礎を提供できる」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年4月7日
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