毎週月曜日の午後4時40分になると、雲南芸術学院公共教学棟A101教室のカーテンは閉められ、消灯となる。教室の中は静まり返り、学生たちはプロジェクターでスクリーンに映し出される資料に釘付けになる。これは、教師・楊洋さんの中国の古墳文化の講義の様子だ。中国青年報が報じた。
楊さんが開設した選択科目の講座「中国古墳文化」は最近、微博(ウェイボー)で大きな話題になり、楊さんは一躍「時の人」となっている。
ハラハラあり、ドキドキあり、刺激ありというのが講座「中国古墳文化」を受ける学生たちの第一印象だという。
「みんなこのミステリアスな雰囲気が大好き」と話すのは大学3年の顧麗さん(仮名)。好奇心からこの科目を選択し、1回目の講座で「これにして良かった」と感じたという。
顧さんはいつも教室の真ん中の席に座っており、「周りにみんながいるから、怖くない」と話す。しかし、講座が終わって寮に戻ると、特に一人でいる時は、目を開けると後ろに誰かが立っているのではないかと想像して、顔を洗う時も目を閉じられないという。また、部屋が静かだと不気味に感じるため、必ず、音楽のボリュームを上げるという。「それでも月曜日の午後になると、早めに教室に行って席を取り、先生と共に壮大な歴史の旅に出かける。この講座は本当に中毒性がある」と顧さん。
楊さんは、「選択科目の時はほとんどの学生が好奇心でやってくるが、本当の意味で学生を引き付けることができるのは文化。古墳は考古学調査の対象で、そこから得られる資料は古墳自体よりもはるかに多い。古墳に保存されている無数の芸術品が示す歴史は社会発展史で、実際には、古墳文化はいろんな学科の文化の総合版」と説明する。
ユニークでバラエティに富む選択科目が人気
現在、中国の大学ではユニークでバラエティに富む選択科目が話題となっている。中でも、珍しく、社会の流行に合わせた選択科目は特に人気となっている。例えば、雲南師範大学の「大学生性健康教育」では、性や出産に関する知識を学ぶことができ、学生のニーズに応えている。また、西南林業大学の「標準日本語」はアニメファンに大人気。学生たちを日本語に夢中にさせ、字幕無しでも日本のアニメを楽しむことができるようになる。
さらにユニークな選択科目では、ハリーポッターとコナンが登場する。
中山大学の「ハリーポッターと遺伝学」は、「最上級の内容の選択科目」と呼ばれ、華中科技大学の「名探偵コナンと論理的推理」は二次元や三次元の世界が大好きな学生のツボを付いているため、2日間で500人以上の申し込みがあった。中南大学の「名探偵コナンと化学探秘」は、コナンのストーリーと化学原理を結び合わせており、開設してから3年の間、毎年大人気となっている。
その他、サバイバル技能やターザンのようなワイルドさを身につけることができる厦門(アモイ)大学の「木登り授業」、推理や交渉の技術、確率計算、コスト・費用対効果の分析技術、指導能力などを向上させることができる南昌大学の「三国殺」なども学生の間で好評を博している。
現在、バラエティに富む大学の選択科目は、「学校経営をする上での、大学の模索とイノベーション」と見られており、従来の大学の授業の理念を覆しているだけでなく、才能にあふれる教師の発掘にも一役買っている。選択科目は各大学の教授が行う講座ではなく、客員教授たちは教師とはどのような存在で、授業の腕前をどれほど備えているかということが分かっていない場合があるため、リスクも伴うものの、最終的に学生の間で好評を博するのは大学の教授であっても、客員教授であっても、人格的に魅力があるのはもちろんのこと、豊富な知識がある教授だということだ。 (編集KN)
「人民網日本語版」2017年4月12日
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