情報化時代の今、ほとんどの人が1台は携帯電話を持っている。ここ数年、中国は世界最大のスマートフォンの製造国であり消費国だ。携帯の消費量増加にともない、廃棄された携帯も大量に生まれている。中国では携帯の回収は一種のブルーオーシャン市場であり、市場規模は2千億元(1元は約16.3円)に達するとみられるが、消費者のうち60%が古くなった携帯を手元に置いておくことを選ぶ。「個人情報が漏れないのか」という消費者の疑問の声を受けて、このほど中国最大の電子製品回収・買い換えプラットフォーム「愛回収」の上海にある運営センターを取材した。一財網が伝えた。
センターに足を踏み入れると、きちんとパッケージされた中古携帯が山のように積み上がり、携帯の仕分け、配達、修理、価格チェックの各担当者が、それぞれの持ち場で忙しく働いていた。興味深いのは、ここで一日中携帯を取り扱う人々が職場に携帯を持ち込んでいないことで、センターを出入りする時に厳格な保安検査を受けるという。携帯はふたが開けられると、識別の段階に進む。携帯は1台1台ごとに固有の識別番号があり、これによって管理システムに登録される。センターが一日に回収する携帯は6千~1万台で、これまでで最高は1万2千台だった。
廃棄携帯はセンターで検査、価格設定など一連のプロセスを経てから、川下の回収業者に引き渡しされ、分解や再利用など次の操作に進む。
統計によると、国内の携帯電話市場の出荷量は5億6千万台で、業界の予測では今後数年間に中国では毎年約10億台の携帯が新たに買い換えられることになる。またこれまでに廃棄された携帯は累計約10億台になるという。
巨大な廃棄携帯ストックと鮮明な対照をなすのは、現在の中国の廃棄携帯の回収率が2%にも満たないことだ。回収された廃棄携帯のうち、正規の分解業者に回るものはごくわずかで、多くは違法な小規模業者のところに流れ、料金が不透明なだけでなく、環境にも劣悪な影響をもたらすことが懸念される。
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