実際、日本企業の「理解できない」の声に映し出されるのは、中国社会の消費のバージョンアップだ。中国は30年前には安い人件費で「世界の工場」の座を勝ち取り、今は誰もが分け前に預かろうとする「世界の市場」だ。中国人の旺盛な消費のニーズと能力により中国は先進国と急速に肩を並べるようになったが、それと同時に摩擦や衝突も生じるようになった。
よく言われていることが本当かどうか、しょっちゅうたずねられる。たとえば「日本は一番いい製品は自分用にして、2番目の製品は欧米に売り、残った商品を中国に売りつける」という言説などだ。実際、かつての日本国民の平均所得は中国の数十倍もあり、最新の製品を中国で売ろうとしても、買える人はほとんどいなかった。経済グローバル化の今日、手元にある最新の製品をなんとかして世界中で売ろうと考えない企業はない。とある日本企業の社長も、今や同社の中国工場がもつ技術や設備は日本国内の工場よりも先進的で、ターゲットは巨大な中国市場だと話す。
わずか数年の間に、日本を訪れる中国人観光客の消費がぜいたく品の爆買いから日常品の大量購入へと移り変わり、さらに茶道などの文化体験を楽しむ消費へと「ホップ、ステップ、ジャンプ」を遂げた。爆買いが下火になった背後には、中国人観光客の多様化と消費心理の落ち着きがある。その成長のスピードに日本の企業側は追いつけていない。
中国企業が日本の地方で営業活動をし、「微信」(WeChat)による営業販売など中国市場の新たな変化について話すと、相手方はしきりに「目を開かれました」などと驚くという。中国の通信販売といった新業態は発展プロセスの中で「追い越し車線」を走っており、日本企業に観念の書き換えを迫る。通販業務に及び腰だった日本企業は、中国で全国民国が「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)に熱狂する様子を見て、天猫(Tmall)や京東との提携を加速させるしかなくなった。中国の人件費上昇や一連の政治的問題により、日本企業の多くがかつては投資先を東南アジアに移そうとしていたが、今の日本企業界では、市場の規模、産業の配置、労働者の質など、どの点を取っても中国と比肩しうるところはないというのが共通認識になっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年5月4日
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