中国国家大劇院は25日、北京で2017国際演劇シーズンの公演プログラムを発表し、日本の世界的演出家・鈴木忠志氏が同劇場で「トロイアの女」と「ディオニュソス」を披露することが明らかになった。中国新聞網が報じた。
今年の国際演劇シーズンでは、中国、日本、ドイツ、英国、ロシア、スペイン、スウェーデンなど7ヶ国の計10劇団が同劇場で、12期58公演を披露する。
なかでも、演劇ファンの注目を最も集めているのが鈴木忠志氏。6月22日から29日にかけて鈴木忠志氏率いる劇団SCOTが初めて同劇場で上演する。上演されるのは「トロイアの女」と「ディオニュソス」という鈴木忠志氏演出の代表作。
国家大劇院演出部のプロジェクト担当者・趙菲氏によると、この2作品は、鈴木忠志氏本人が選んだといい、「鈴木先生は、この2作品が最も国家大劇院の舞台で上演するのに適していると考えた」のだという。
これまで、鈴木忠志氏は独特の東洋の視点で、文化と国境の壁を越え、世界の演劇会でも非常に高く評価されている。「トロイアの女」と「ディオニュソス」は、「小異を残して大同につく」という精神に基づいて、鈴木忠志氏がギリシア悲劇を演出し、その色濃い東洋の風格が演劇ファンの間で好評を博してきた。
演劇評論家の周黎明氏は、「鈴木氏の作品は鑑賞する道を模索すべき作品。彼は日本伝統の能劇や歌舞伎の要素を作品にたくさん盛り込んでおり、西洋のたくさんの名作を、非常にうまくコーディネートしている。中国の演劇関係者は鈴木氏の作品からたくさんの啓発を受けることができる。例えば、彼は日本の伝統演劇の要素を活用しているが、それはとても大胆で、大成功していると思う。中国の演劇を見ても、活用できる伝統的な要素は非常にたくさんある。この点、中国にはまだ大きな進歩の余地が残されている」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月27日
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