ラジオ番組「中国之声」のニュースコーナー「央広新聞」の報道によると、最近の投資資産界の新たな「ネット人気者」といえばなんと言っても仮想通貨のビットコインだという。登場してから何年にもなる電子マネーだが今月になって突如人気が急上昇し、ほぼ毎日、過去最高を更新し続けている。今月25日には価値が一時、2800ドル(1ドルは約110.9円)の大台に迫った。
今年に入ってから、急展開を続けるビットコインの急騰・急落ぶりが人々を驚かせている。5月25日には過去最高の2760ドルまで上昇したが、その後は2営業日内に900ドルも値下がりして、値下げ幅は30%を超え、現在は2200ドル近くで落ち着いている。急騰も急落もあったが、現在は上昇傾向にある。2009年にビットコインが登場した時は、1ドルもあれば1300枚のビットコインが買えたが、2ヶ月前にはビットコインの価値は純金1オンスの価格を上回り、ネットユーザーの中には「ビットコインは黄金よりも高い」などと言う人もいる。
ビットコインはなぜ急激な上昇を続けるのだろうか。分析によるとビットコイン急騰の理由ははっきりしており、まずビットコインを決済手段の1つとして受け入れる会社がますます増え、政府や監督機関も合法的な投資製品として受け入れるところが増えていることがある。次に今月は米国のトランプ大統領の「ロシアゲート」疑惑などの事件が起きたため、市場にリスク回避ムードが広がり、投資家がビットコインを新たなリスク回避商品と見なす動きを促進したことがある。
財政経済コラムニストの葉檀さんはビットコインに影響を与えた最大の要因は政策であるといい、「全体として言えるのは、ビットコインは主に米ドル建てで価値が示されるので、ドル紙幣の購買力が低下すれば、ビットコインは電子マネーという優位性によって価値が上昇する。中国はビットコインの世界最大の市場であり、中国がビットコインへの引き締めを行ったり、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げをしたりすれば、ビットコインに短期的に非常に大きな影響を与えることになる」との見方を示す。
ビットコインの価値が上昇し続けることにより、市場では他の仮想通貨にも連動作用が及び、ライトコインを含む多くの仮想通貨が大幅に値上がりし、大量の社会資本をこの分野に誘致している。業界がまとめた統計では、最近になって大量の資金が流入したことにより、現在の主な仮想通貨を合わせた時価総額は600億ドルを超え、滴滴出行や小米などの有名ネットベンチャー企業の時価総額を上回った。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年5月31日
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