しばらく表舞台に姿をみせていなかった仮想通貨「ビットコイン」は、今再び価格が上昇している。マイクロソフトのストアでビットコインによる決済が導入されるとの情報が伝わったためで、ビットコインの価格は突然10%近く値上がりした。市場ではビットコインの今後の発展に対する期待感が広がっている。「北京晨報」が伝えた。
マイクロソフトのストアでは、利用者はマイクロソフトの口座にビットコインをチャージして買い物できるようになった。ウィンドウズ、ウィンドウズフォン、Xboxのゲーム・音楽・動画など各種のサービス料金もオンラインでビットコイン決済できるようになった。だがマイクロソフトのビットコインへの対応はまだ限定的で、ビットコインでの直接支払いはできず、チャージは1回あたり100ドルまでとされている。またビットコインが利用できるのは今はまだ米国の口座だけだ。
マイクロソフトはビットコインの決済機能を完全に取り入れたわけではないが、今回のニュースはしばらく音沙汰のなかったビットコインの価格を瞬く間に上昇させることになった。
中国のビットコイン取引プラットフォーム・火幣網がまとめたデータによると、11日午前11時30分まで、ビットコインは低価格で推移し、一時は過去約1カ月間で最低の2060元(1元は約19.2元)に落ち込んだが、マイクロソフトの情報が伝わるとあっという間に上昇して2261.31元になり、上昇幅は10%に迫った。その後やや下落したものの、現時点では2200元台をうろうろしている。
火幣網連合の創業者・杜均さんは、「マイクロソフトがビットコインの陣営に加わることで、ますます多くの有名企業がビットコインを受け入れるようになり、ビットコイン技術の価値が幅広く知られるようになった。自分はビットコインに信頼を寄せている」と述べた。
実際、マイクロソフトだけでなく、世界的な決済機関のペイパルやソーシャルゲームのジンガといった世界的有名企業がビットコイン決済に対応するとしている。ペイパルはビットコイン決済サービスのトップ企業3社と協力し、ビットコインというデジタル通貨に限定的な支援を送る。ジンガは傘下のゲーム製品の多くで、利用者にビットコインによる決済を認めるという。
ビットコインは昨年11月に過去最高の上昇期を迎えた。中国の投資家の間でも人気が高まり、数百元だった価格が一時は8千元まで跳ね上がった。中国人民銀行(中央銀行)は12月に「ビットコインのリスク対策に関する通知」を出し、金融機関にビットコインを利用して業務を行わないよう求めた。「支付宝」(アリペイ)や百度などはビットコイン決済を停止し、ビットコインの価格は急速に下落した。今年になると一時は世界最大のビットコイン取引プラットフォームだったマウントゴックスがハッカーの攻撃を受けて経営破綻し、ビットコイン価格は再び急落。その後は何回かの値上がりを経ながらも、価格は現状維持か下落を繰り返し、第4四半期(10-12月)に入ってからは3千元以下で推移していた。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月12日