ホテルマネジメント教育を専門とするスイスのレ・ロッシュ大学が5日、上海で報告書を発表した。同報告によると、今後数年間、中国の中・高級ホテルは目覚ましい発展を遂げる見通しで、市場競争も急速に激化すると予想される。中国新聞社が報じた。
同報告によると、中国の伝統的ホテル業界は、「インターネット+」時代の新産業モデルによる巨大な攻撃を受けており、多くのホテルが難題に直面している。モデルチェンジによる窮状打開を図り、ハイエンド市場への着目・シフトを目指している。数年前から、有名なエコノミー型ホテル・高級ホテルの区別なく、次々と経営のモデルチェンジに着手、M&A(買収合併)によって市場資源を統合し、ハイエンド市場進出への足並みを加速している。
著名チェーンホテル大手・北京首旅酒店集団(首旅)は、エコノミー型チェーンホテル如家酒店を買収したのち、より精確に中・高級市場に的を絞る目的で、2016年、如家商旅や和頤至尊といった中・高級新ブランドを打ち出した。首旅酒店の財務報告では、アップグレード・改造後の中級ホテルにおける販売可能な部屋一室あたり収入は、1.3倍から1.8倍アップすると予想されている。
鉑涛集団や漢庭(ハンティン)ホテルなど、その他のエコノミー型チェーンホテルも、中・高級ブランドへのモデルチェンジを絶えず強化し、新たな利益源を模索している。鉑涛集団は、欧州の人気ホテルブランドであるスペイン・バルセログループを中国に引き入れたことに続き、高級ホテルブランド「Lifestyle Lab」を打ち出した。このような動きについて、業界関係者は、「これは、『日常』や『エコノミー型』といったイメージから離脱するための鉑涛の戦略だ」との見方を示している。
また、各大型国際ホテルグループも、この市場シェア争奪戦で遅れをとってはいない。仏アコーグループは華住酒店集団とタイアップ、マリオット・インターナショナルは東呈酒店集団と提携して万楓酒店を展開、ヒルトンは2種類の中級ホテルブランドを導入するなど、中・高級ホテル市場は、各大型ホテルブランドがこぞって参入する「注目マーケット」となっている。
柏高ホテル集団の王松志・総裁は、「中国の中・高級ホテル業は、今後3年から5年で『噴水式』発展を遂げるであろう」との見方を示す。また、レ・ロッシュ大学CEOのSonia Tatar氏は、「中・高級市場の急成長の背後には、中国で増え続ける中産階級と消費に対する考え方の変化がある。今後、この分野での市場競争はますます激化するだろう」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年6月6日
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