あたたかい気持ちにさせてくれる成都の人々に感謝を示そうと、天本さんは15年から、大学入学試験の前になると、受験生にタイ焼きをプレゼントしている。今年5月27日、天本さんは微博に、「来週、成都の高校の門の前で受験生にタイ焼きを配る。受験生全員、万事がうまくいくことを願っている」と書き込むと、すぐに、たくさんのフォロワーがメッセージを寄せた。
天本さんは自分でタイ焼きを作っているだけでなく、タイ焼きの袋1つ1つに「がんばれ」、「自分を信じて」、「頑張って勉強しよう」、「毎日がんばろう」などと、励ましの言葉を書いている。
ただ、初めの2年は、タイ焼きプレゼントしようとしてもなかなかうまくいかなかったという。
「2年目の時はちょっと失敗だった。事前に学校の門でタイ焼きを配ることを知らせていなかったため、誰もそれを受け取ってくれなかった。高校生に『変な人だ』と思われたに違いない」と天本さん。
「今年は事前に微博で知らせ、知り合いの学生の意見も聞いて、どの学校の高校生が一番喜んでくれるかを調べておいた。そして、その学校の高校生に前もって話しておいたので、学校の門に行くとすんなり受け取ってもらえた」。
今年は準備しておいたタイ焼き30個全てを配り終えることができ、天本さんは大喜び。「本当は受験生みんなにあげたいのだけど、一人ではできることが限られている」と話す。
そして、「初めは友人と成都に旅行に来ただけだった。でも、なぜかここに住むようになった。成都の人たちは本当に親切で、救いの手を差し伸べるのが好き」と語る。
現在、天本さんは四川師範大学の東キャンパス近くでタイ焼きなどを売る店を開いており、取材に対して、「大学生がよく買いに来てくれる。また、ささやかなプレゼントをくれる大学生もいる。プレゼントをもらった時は、実家がある三重県から持ってきたお土産をお返しにあげる」と話した。
「礼は往来を尊ぶ」というのが4年成都に住んでいる天本さんの作法であり、親切にしてくれる成都の人々への「恩返し」でもある。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年6月9日
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