国際連合(国連)貿易開発会議(UNCTAD)がこのほど発表した「2017年世界投資報告」によると、中国の16年の対外投資額が前年比44%増加して1830億ドル(1ドルは約110.0円)になり、中国は初めて世界で2番目の対外投資国になったという。新華網が伝えた。
▽中国企業の海外進出は日本の足取りをなぞるのか?
対外投資の増加とともに、海外の合併買収(M&A)市場における中国の姿の大きさにも注目が集まるようになった。
海爾(ハイアール)が米国ゼネラル・エレクトリック(GE)の家電事業を買収し、美的がドイツのスマートロボットメーカーのクーカを買収し、奇虎360は昆崙万威などとともにノルウェーのネットワークブラウザメーカーを買収した。このように、ここ数年は海外M&A市場で絶えず中国企業の姿がみられるようになった。
こうした現象は1980年代中頃から終わり頃にかけての日本を思い起こさせる。当時の日本は海外M&Aを海外進出の重要な戦略的手段ととらえ、海外の企業や不動産を大量に買収したが、数年後には多くのM&A劇がひっそりと終わりを告げ舞台から姿を消していた。中国は日本の海外M&Aからどのような教訓をくみ取れるだろうか。
日本は50年代に「貿易立国」の経済発展戦略をスタートさせた。80年代に入ると輸出規模が加速的に増大すると同時に、巨額の貿易黒字によって外貨準備が大量に積み上がり、大規模な海外M&Aの条件が整った。
当時、日本企業の国際資本市場での動きは「財力をたのんで横暴」などと形容され、ビルを適正価格よりも高い値段で買い取り、ビル購入価格記録を更新しようとしたといった常軌を逸した振る舞いがたびたびみられた。日本企業の海外進出の主な目的地は海の彼方の米国で、米国社会に極めて大きな反響を引き起こし、日本人は「米国を買いあさる」ことに夢中になっているようにみえた。だが理性を失った狂乱的投資は、最終的に悲惨な結果をもたらした。製造業の成功モデルとされたソニーは業界の枠を超えたM&Aでエンターテインメント産業に進出しようと考えたが、買収後の経営管理で現地の管理チームに譲歩を続け、最終的にソニー自身が苦しい目に遭うことになった。
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