中国の衛星測位システム「北斗」のスマートで精度の高い応用について話し合うサミットがこのほど北京で開催された。北斗はこれから集中的打ち上げの時期を迎える見込みで、来年はまず「一帯一路」(the Belt and Road)参加国をカバーして基本的サービスを提供し、2020年前後には世界をカバーするサービス力を全面的に構築して、世界のユーザーに衛星測位サービスを提供するようになる予定だ。現在、北斗の民間利用者は1千万人に達し、今後は大衆消費市場に焦点を当てる。北斗に対応した携帯電話や腕時計などの民間科学技術製品が10月にも発売される見込みで、こうした製品は全地球測位システム(GPS)よりも精度が高く、2センチメートルまで正確に測位するという。「北京日報」が伝えた。
北斗の精度の高いサービス網が、昨年までに全国300以上の都市の各種産業で応用サービスを提供しており、都市ガス供給、都市部の熱供給、電力網、上下水道、スマート交通、スマート介護など複数の産業で幅広く応用されている。中国衛星ナビ測位協会が発表した「中国衛星ナビ・位置情報サービス産業発展白書」によると、昨年の中国の衛星ナビ・位置情報サービス産業の生産額は2千億元(約3兆2590億円)の大台を突破して2118億元(約3兆4513億円)に達したという。
同白書によると、北斗の特色あるサービスと融合応用サービス「北斗+」が誕生を促した新興産業には、電動自転車の安全防犯対策、シェア自転車、都市スマートパイプラインなどがあり、応用市場で力強く大規模な「生命力」を発揮し、今後の可能性に大きな期待がかかる。シェア自転車ブランドの一部は北斗システムを利用した、精度が1センチメートルと非常に高いナビシステム「北斗智能鎖」の研究開発を進めており、自転車の位置情報ニーズによりよく対応することを目指す。また北斗ナビシステムに対応した携帯電話、腕時計、スマートウェアラブル機器、地上網端末などの応用製品がすでに生産を開始しており、10月頃に市場にお目見えする予定だ。こうした北斗対応の各種端末製品はGPSより精度の高い測位機能を有し、測位範囲の精度が2センチメートルまで上がり、携帯電話の電波が届かない屋外の環境でも、北斗を利用すれば遠距離通信が可能で、たとえば高齢者が身につけた北斗対応の腕時計が子どもの携帯電話とつながり、子どもは遠くから親の心拍数をチェックすることなどが可能だ。こうした映画の中でみたようなハイテク装備が、もうすぐ私たちの暮らしに登場することになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年6月19日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn