オーストラリアの代理購入企業が裏口上場(非上場企業が自社より規模が小さい上場企業や経営が低迷する上場企業を買収し、上場企業を存続会社とした合併を行うこと)を行った。このケースから、ここ数年の中国・オーストラリア二国間越境貿易の急速な発展ぶりがうかがえる。オーストラリアの質の高い商品は常に中国消費者の間で評判が高く、従来のルートでは中国市場の旺盛なニーズに応えることができないため、代理購入産業が自然発生的に生まれ、幾何級数的な勢いで増加することになった。「経済日報」が伝えた。
このほどオーストラリア証券取引所がある上場企業の再編を承認したというニュースが、人々に強い興味を呼び起こした。同国の代理購入企業AUMADEが上場企業AUGENDを買収し、再編後の上場企業の主業務が従来のエネルギー生産から代理購入に変わったという事例だ。今後は中国市場向けにサービスを提供し、オーストラリアの保健用品や美容製品に対してますます増大する中国市場のニーズに応えるという。2010年に創業された中国人の経営する代理購入企業AUMADEは、年間売り上げが約1300万オーストラリアドル(1オーストラリアドルは約87.8円)で、このたびの裏口上場を通じて追加融資を行い、これからシドニーで実店舗20店を展開し、オンライン販売プラットフォームを改良して、新しい代理購入ブランドを樹立する計画だ。
市場関係者の分析では、「代理購入企業の(裏口)上場にはここ数年の中国・オーストラリア二国間越境貿易の急速な発展ぶりが反映されている。越境ECのビジネスチャンスが次々に現れ、ますます多くの個人や企業が越境貿易に相次いで加わっている」という。
代理購入は初めの頃は、一般の人々が中国の家庭や中国在住の友人のために海外で買い物をするというパターンが多かった。オーストラリアの中国語サイト「澳華財経在線」(ACB News)の報道によると、「オーストラリア在住の中国人による代理購入産業の毎年の売り上げは1千億オーストラリアドルに迫る。現在、オーストラリア全体で中国人の経営する代理購入企業は1200社を数え、1社1日あたり100件から200件の貨物を発送し、昨年に郵送された代理購入商品の金額は8億オーストラリアドルに上った。またおよそ4万人の個人の代理購入業者がいて、その大部分は学生の兼業だ。スーパーやドラッグストアなどで人気商品を買って中国に送っている」という。
代理購入のルートをみると、中国人観光客はオーストラリアブランド商品の中国への主力販売ルートの一つだ。統計では、2016年に中国人観光客がオーストラリアで消費した金額は83億オーストラリアドルに上り、前年比45%増加した。20年には130億オーストラリアに達すると予想される。中国人観光客の1回のオーストラリア訪問での平均消費額は8千オーストラリアドルに迫り、世界各地からの観光客の中で最高だ。オーストラリアの高品質、ヘルシー、クリーンな農牧産品やシーフードは中国人消費者の間で常に人気がある。高品質の乳製品と保健用品の生産大国でもあるオーストラリアが中国人観光客の「爆買い」の重点エリアになるのは当然のことといえる。中国・オーストラリア自由貿易協定(FTA)の締結にともない、ますます多くの中国人がオーストラリア商品に接し、理解を深め、たくさんのオーストラリアブランドが中国市場で誰もが知る存在になった。オーストラリアの輸出企業も中国向けに大量のオーストラリア製品を輸出し、ここ数年は輸出数量が急増しているが、それでも中国市場のニーズを満たせてはいない。こうしたわけで、代理購入産業が幾何級数的な成長を遂げたのも何ら不思議ではない。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年7月12日
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