「携帯電話で口座振替の暗証番号を打つと、あっという間にお金が振り込まれていく」。データによると、中国では毎日、このような動作が数億回も行われているという。
こうした流れの中、「外出時にサイフを持つ必要はないし、お金は使えば使うほど使うペースが速くなっていく」と感じる人は多い。それでは携帯電話によるモバイル決済の普及にともない、人々の「懐具合」に何か影響はあるのだろうか。
▽モバイル決済が普及
中国インターネット情報センターが発表したデータをみると、昨年12月末現在中国の携帯電話によるオンライン決済の利用者は4億6900万人で、年増加率は31.2%、ネットユーザーの携帯オンライン決済の利用率は57.7%から67.5%に上昇した。ネットユーザーのモバイルバンキング利用率は48%で、人数にして3億3千人に上った。
「微信支付」(WeChatペイメント)の提供したデータによると、2016年12月末現在、騰訊(テンセント)のモバイル決済月間有効口座数および一日平均決済取引件数がいずれも6億を超えた。統計会社クエストモバイルが発表した17年第1四半期(1~3月)の中国モバイルインターネット全体状況報告では、「支付宝」(アリペイ)の月間有効ユーザー数は3億5300万人に達したという。
▽モバイル決済の普及でお金は使えば使うほど使うペースが速くなるか?
携帯電話でのモバイル決済の急速な普及にともない、人々のお金を使うペースに影響が出ているだろうか。「使うペースが速くなっている」という答えにうなづく人は多い。仕事の関係でよく出張に行く静静さん(仮名)は、「前にもいろんな所に行って、そこの特色ある商品を見ると、買いたいと思ったが、当時は手持ちの現金が足りなくて、あきらめるしかなかった」と振り返る。
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