ここ数年、国産アニメ映画は民族的ムードの追求の面でさまざまな革新を遂げてきた。「大聖帰来」は独自の成長の道をたどる東洋の英雄像を作り上げることに力を入れ、孫悟空に中国人が抱くさまざまな思いを凝縮させた。「大魚海棠」では中国の古代神話や福建省の無形文化遺産「土楼」といった要素を活用し、中国ムードあふれる幻想的なアニメの世界を細やかに描き出した。「大護法」は水墨画の伝統に力を借りて、美術デザインの隅々にまで「写意」(水墨画の表現方法)の風格を漂わせた。
すでに20世紀中頃に、上海美術電影制片廠は西洋諸国のアニメ発展モデルとは一線を画す中国の道を歩み出し、民間の戯曲、水墨画、アニメを結びつけ、「西遊記之大閙天宮」(邦題:モンキーマジック 孫悟空誕生)、「小蝌蚪找■■」(■は女へんに馬、邦題:オダマジャクシ、お母さんを探しにいく)、「山水情」(邦題:琴と少年)といった中国の特色にあふれたアニメ作品を制作し、世界のアニメ界から、「これで中国学派の基礎固めが終わった。これから輝く未来へと突き進んでいく」と高く評価された。
現在、新たな創作条件や市場環境の中で、民族の伝統という養分をくみ取り、これを創造的に転換し、革新的に発展させるにはどうすればよいかが、次世代アニメ制作者が直面する重要な課題となっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年8月3日
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