日本のある研究チームがこのほどiPS細胞(人工多能性幹細胞)を大量培養する新装置の開発に成功した。このiPS細胞は、「バンドエイド」のように損傷した心臓を回復させることを可能とするため、将来的に心臓疾患治療への応用が期待されている。
iPS細胞は、人間の皮膚などの体細胞に極少数の因子を導入し、培養した細胞で、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力を備えている。慶応大学はこのほど、同大学の研究チームが縦約30センチ、横約20センチの薄いプレートを10層に重ね、iPS細胞を平面的に培養する新たな培養装置の開発を発表した。同時に酸素と二酸化炭素を均一に送り込む一種の通気システムを開発したことで、一度に約10億個のiPS細胞を培養することに成功した。
心筋梗塞などの心臓疾患発症時は、億単位の心臓の筋肉の細胞が失われる可能性があるが、人間には心臓の筋肉の細胞を再生させる力は備わっていない。iPS細胞には、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力があるため、医学界ではiPS細胞を「バンドエイド」として、死んでしまった心臓の筋肉の細胞の代わりにし、損傷した心臓を回復させる。しかし、現在まで安全性の高い心細胞を大量培養する技術が備わっていなかった。
日本の研究チームのこの新たな成果は米国医学誌の最新号に掲載される。慶応大学は来年にもこの技術を用いた心臓疾患治療の臨床実験を実施する予定だ。(編集TK)
「人民網日本語版」2017年10月11日
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