米国で最も長い歴史をもつ地下鉄路線でまもなく「メイド・イン・チャイナ」の地下鉄車両が姿を現すことになる。中国新聞社が伝えた。
10月16日、中国中車長春軌道客車股フン有限公司(フンはにんべんに分)によって研究開発された初の米国ボストン地下鉄のオレンジライン用車両は長春市で無事ラインオフし、今年12月には米国に運ばれる予定だ。
米国中車麻省公司の賈波副総裁は取材に対し、将来の米国市場には中国の製品だけではなく、中国経験や技術もより多く存在することになるだろうとの見方を示した。
鉄道交通は輝かしい中国の代名詞と言える。中国鉄道交通企業は1995年には早くも「海外進出」に着手し始めており、初の輸出プロジェクトとしてイランのテヘラン地下鉄プロジェクトを手にした。その後、長年にわたる発展を経て、アジアやアフリカ、南アメリカ、北アメリカなどの区域で、「メイド・イン・チャイナ」の鉄道車両への注文がますます増え続けている。
中国国内の都市鉄道交通車両市場で40%以上のシェアを占める中車長客を例として見ると、その製品はすでにオーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、アルゼンチン、タイ、サルトル、イラン、シンガポール、エチオピアなどの20以上の国と香港地区に輸出され、その輸出車両数が8000両を超え、80億ドル以上の外貨を獲得している。
過去と比較した場合、同社が2014年に入札を勝ち取ったボストンレッドラインとオレンジライン用車両284両の契約は特別な意義をもつ。同プロジェクトは中国が製造した地下鉄車両が米国に進出しただけではなく、中国企業が世界のハイエンド市場に「進出」し、「腰を落ち着ける」転換も実現させたからだ。
2015年9月に、中国中車が米国で投資して建設した初の製造基地である中車スプリングフィールド工場が米マサチューセッツ州スプリングフィールド市で正式に建設がスタートし、将来的にボストンの地下鉄車両は同工場でローカライズして生産されるようになる。
40エーカーの面積を誇る中車スプリングフィールド工場は、中国鉄道交通企業が先進国で建設する初の工場となる。中車の公式資料によると、同工場は同地に150人分の雇用機会を創出し、車両の全装備の取り付けからテスト、アフターサービスといった業務を全て対応できることになるという。
工場建設以外でも、中車長客は今年、米国で研究開発センターを設立し、先端技術の研究、米国標準システムの構築と認証、北アメリカエリアにおけるプロジェクトのフォローと研究開発、後期の技術サポートといった業務を担うという。
賈波氏は、中国企業が十分な調査研究に基づき、クライアントに確実で実行可能な「中国の案」を提供できることが米国鉄道市場で人気を集めている理由の一つだとし、「中国の鉄道交通企業は長年の研究開発と製造経験を積み重ねており、鉄道交通のコア技術を把握しているため、クライアントのさまざまなニーズを満たすことができる」としている。
中車長客株式会社の王潤董事長は、こうした過程を通じて、企業は国内外の専門的な協力パートナーを獲得するばかりではなく、数多くの優秀な技術、ビジネス、品質といった面での専門的人材も育成することができ、今後のプロジェクトの進め方や、越境経営へ歩みを進める上での基礎を築いているとの見方を示した。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年10月19日
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