電子決済はわずか数年間で経済の発展や人々の暮らしなどさまざまな方面に浸透し、とりわけ「中国の新4大発明」などと呼ばれるモバイル決済は、規模が世界トップクラスに達しただけでなく、2018年の政府活動報告にも取り上げられた。業界関係者の多くが、中国のモバイル決済基準を海外に普及拡大し、この分野での発言権を強化することを提起する。「北京商報」が伝えた。
▽モバイル決済の規模が4年で22倍に
モバイル決済は今年も全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)のキーワードだ。国務院の李克強総理は3月5日に行った政府活動報告の中で、「過去5年間に、中国の科学技術進歩の寄与率が著しく向上し、高速鉄道ネットワーク、EC、モバイル決済、シェアリングエコノミー(共有経済)などが世界のトレンドを牽引した」ことに初めて言及した。
中国のモバイル決済の発展ペースはどれほどのものだろうか。中国人民銀行(中央銀行)が発表した2013~17年の決済システム運営状況を詳しく見ると、過去4年間に中国のモバイル決済の規模は22倍に拡大した。13年の決済件数は16億7400万件、決済金額は9兆6400億元(1元は約16.8円)だったのが、17年には375億5200万件、202兆9300億元に増加し、いずれも世界一だった。
モバイル決済のトップレベルの地位を固めるにはどうしたらよいかが、業界が現在取り組んでいる問題だ。中央財経大学金融学院の賀強教授は今年の両会へ、モバイル決済産業の世界トップレベルの地位の維持に関する提言を打ち出した。それによると、「モバイル決済をデジタル金融包摂という国策の推進における核心的戦略とし、引き続きモバイル決済の革新と海外進出に良好な政策的環境を提供する必要がある。モバイル決済を『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアティブの一部分とし、中国企業と現地機関との協力を奨励する必要がある。同時に中国企業が世界の決済産業の基準制定を牽引することを奨励し、『中国基準』の発言権を強化する必要がある」という。
別の公開の場面でも、業界関係者がモバイル決済と「中国基準」の海外進出を推進するよう提起した。対外経済貿易大学の殷剣峰教授はこのほど人民日報海外網の「モバイル決済が中国の新経済の先頭を走る」と題したイベントで、「中国が目下、進めている『一帯一路』イニシアティブが主なよりどころとしているのは、高速鉄道のようなハード面のインフラであり、決済システムはソフト面のインフラとしてこちらも普及推進に力を入れる必要がある。決済システムは中国の人民元の国際化、金融企業と非金融企業の国際化における重要な土台だ。政策面でより重視し、モバイル決済の健全な発展を積極的に推進し、中国のモバイル決済基準の海外への真の普及拡大をはかる必要がある」と述べた。
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