携帯電話の決済機能が中高年の暮らしの中で普及していくのにともない、新手の詐欺事件も後を絶たない。中国社会科学研究院がテンセントと共同で発表した「中高年インターネット生活研究報告」によると、「シルバー族」はその暮らし方から独特なニューメディアの利用方法を確立しており、携帯のナビゲーションシステムやスタンプの制作など、流行りの機能も多く利用しているという。
だが、それと同時に、無料でもらえるお年玉と携帯パケットのプレゼント、共同購入割引が、中高年を陥れる三大詐欺となっている。
現在、シルバー族を対象としたインターネット利用における安全意識の強化や情報識別能力の向上の呼びかけが行われているのと同時に、中高年にやさしいインターネット環境の構築もまた非常に重要となりつつある。
調査研究によると、中高年のインターネット検索履歴ランキングで上位を占めるのは、心が暖まるような文章とユーモアたっぷりな小話で、時事ニュースや健康に関する話題がそれに続く。
南京大学社会学部の陳雲松教授は、「これは、中高年世代が感情的欲求を必要としていることを示している。そして彼らが社会から得られる感情的なサポートが少なく、単一であり、社会からの疎外感や精神的距離を感じやすいことを示している」としている。
ニューメディアは中高年の情報獲得や社会への関わり、感情の増進といった3つの面における欲求を満たしており、彼らはオンラインで容易に満足感と信頼感を得ることができる。そのため、中高年がニューメディアをよりよく活用するするために彼らをリードする必要がある。
レポートによると、携帯パケットのプレゼントと無料でもらえるお年玉、共同購入割引などは中高年が一番騙されやすい情報だとしている。中高年の権益保護の意識と能力は決して高くないため、回答者の約7割は、騙された後も助けを求めないとしている。
また、インターネット上で流れるデマを信じる「シルバー族」は非常に多い。2017年に処分されたデマにおいて、健康や食品安全などに関する内容が占める割合が最も高く、こうした内容は、まさに中高年が日常的に閲覧する内容となっている。
そのため、中高年のよりよいインターネットの活用方法をサポートしようと活動する人がますます増えてきている。
現在、中国全土にある数多くのコミュニティや高齢者大学がすでに中高年に勉強の場を提供し、ニューメディアの利用技法を教え始めている。またコミュニティは中高年の勉強に最も便利であり、最も実際的な場を提供できるため、その効果は非常に大きい。
またインターネット企業もこうした活動に参加する責任がある。現在多くの社会サービスがニューメディアを通じて実施されていることもあり、インターネット企業は「公共事業」の性質を備えるようになってきている。そのため中高年の需要に向き合う必要がある。例えば、中高年用のコンピューターに情報濾過機能を付けたり、詐欺情報やウイルスソフトウェアに対し重点的な保護を行うなどだ。
また、若い世代に対し、中高年を十分に活用していくことも奨励している。中高年に対し、インターネットを利用するスキルを教えていくだけでなく、彼らにとってより適切で有益なコンテンツを生み出し、中高年自身のニューメディア文化を創造していくべきだとしている。(編集HQ)
「人民網日本語版」2018年5月2日
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