北京観光学会が編纂し、社会科学文献出版社が出版した北京観光緑書「2018年北京観光発展報告」がこのほど発表された。報告から、2017年の北京における観光総収入と観光客受入総数は穏やかな増加傾向を示したが、観光6要素のうち、「観光」と「娯楽」の消費レベルは不足気味で、観光消費がバランスを欠く状態に陥っている現状が明らかになった。新華社が伝えた。
統計データによると、2017年、北京における観光総収入は、前年比8.9%増の5469億元(1元は約16.2円)、観光客総数は同4.3%増の延べ2億9700万人。観光ショッピングと飲食消費が社会消費小売総額に占める割合は24.7%。「観光業の発展は、数年前から続く増加傾向を維持しているが、観光消費額が十分ではなく、『飲食・宿泊・交通・観光・ショッピング・娯楽』という観光6大分野の消費がアンバランスであるという問題が目立ってきている」と報告では指摘されている。
報告によると、2017年、北京のインバウンド市場の一人当たり消費額は1306.7ドル(1ドルは約111.0円)、うち「交通・ショッピング・飲食・宿泊」の累計消費額は全体の8割を上回っている一方で、「観光・娯楽」の割合が低く、観光客を誘致する力が不足している。国内観光ではこの傾向がいっそう際立っており、北京以外の国内からの観光客の一人当たり消費額は2600元だが、文化・レジャー消費の割合は2%に届かず、「交通・ショッピング・飲食・宿泊」の累計消費額が全体の90%を上回っている。この事実は、観光関連商品の開発力が十分ではなく、付加価値が小さく、観光客を誘致する力が不足していることを物語っている。
報告は、この問題について、「現在は、体験型観光が人気を集めており、観光客による『観光』と『娯楽』に対する消費がそれに伴い大きな割合を占めるはずだ。だが、それを裏付けるはずの現実のデータが相反しているのは、観光客のニーズが低いからではなく、観光関連商品の個性化・高品質化・多様化のレベルが低いために、観光客を満足させるような体験式サービスを提供できていないためだ」と分析している。
北京市観光委員会の担当者は、「規模が『大きいが強くない』、品質が『低い』という局面に対応するために、さらに『サービスの品質を引き上げる』、『商品の多様化を促進する』、『業界の秩序を強化する』という3分野に段階的に重点をおき、観光サプライサイドの構造改革を引き続き推し進める必要がある」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年9月11日
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