業界関係者は、「ここ数ヶ月間、シャープはグローバル資源の調整を続けており、携帯事業も中国エリアで調整される見込みだ。目下、冨士康がシャープとノキアの両ブランド資源を掌握しており、ビジネス用携帯電話市場ではどちらかのブランドをやめ、戦線の縮小と資源の集中を行い、残った方を重点的に発展させる可能性がある」と話す。
今から2年前、富士康はマイクロソフトからノキアブランドを買い取り、これによってノキアブランドは長年の沈黙の後にスマートフォン市場に返り咲くことになった。その後、富士康はノキアブランド再興を推進するため非常に多くの資源を投入したものの、思うような効果を上げられなかった。買収から1年足らずで、富士康の損失額は1億ドル(約112億円)を超えた。
今のシャープ携帯事業の苦境も相当なものだ。中国市場に回帰してから1年で、徐々に影が薄くなり、ついには撤退のうわさまでささやかれる始末だ。
▽低価格戦略でいけるのか?
シャープの没落は決して偶然ではない。鴻海の買収後、低価格戦略を推し進めたことで「価格破壊者」の称号は手にしたが、弊害ばかりが目立つようになった。
産業経済アナリストの丁少将さんは、「『高品質だが高価格ではない』が鴻海のシャープ買収後の製品・ブランド戦略だった。刺激的な価格でテレビの売り上げは増加したが、シャープのもつ高い品質と技術力が消費者に伝わることはなかった。『高品質』は顕在化せず、シャープブランドの価値は低下し、かつて3S(サムスン、ソニー、シャープ)と呼ばれた大手も今や崩壊の危機にある。シャープはこれまでずっと多元化戦略をうまく進められず、外部で最もよく知られた製品はテレビだった。鴻海がシャープに与えた影響は明らかで、特に中国市場ではシャープのテレビを再び活性化させた。だが、代理製造メーカーの『遺伝子』はあまりにも強く、鴻海がブランド構築やブランド保護のノウハウに乏しく、うまくいかなかったことは明らかだ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年10月26日
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