2018年の日本は夏の豪雨や非常に強い台風21号の上陸に見舞われ、さらに大阪や北海道で起きた地震など一連の自然災害に追い打ちをかけられ、訪日外国人観光客が一時は大幅に減少した。だが日本の国土交通省観光庁がこのほど発表したところによると、12月18日の時点で今年の訪日外国人観光客がのべ3千万人の大台を突破して、過去最高を更新したという。「経済参考報」が伝えた。
日本の菅義偉内閣官房長官と石井啓一国交相は、「2018年には豪雨や地震、台風など一連の自然災害が起きたが、それでも訪日外国人観光客がのべ3千万人の大台を突破したというニュースは非常に喜ばしい。次の目標は2020年までにのべ4千万人を達成することだ。日本政府は外国人観光客の日本観光を全力で誘致し、19年には500億円規模に達する見込みの『国際観光旅客税』を活用して関連設備の充実をはかる計画だ」と述べた。
明仁天皇が19年に退位するため、平成30年は平成の元号の最後の1年間になる。平成がスタートした30年前、訪日外国人観光客は年間のべ283万人にとどまり、現在のわずか10分の1だった。だが中国や韓国など周辺国・地域の経済が好転したこと、格安航空会社(LCC)の路線が増えたこと、日本が訪日観光ビザ(査証)の要件を緩和したこと、円が値下がりしたことなどの影響により、東アジアなどの地域からの外国人観光客が増加を続け、13年に初めてのべ1千万人の大台を突破すると、16年にはのべ2千万人を突破し、1千万人から3千万人への飛躍にはわずか5年しかかからなかった。
日本では19年にラグビーワールドカップが開催され、20年は東京五輪が開催される。こうしたスポーツのビッグイベントが訪日外国人観光客の大幅増加を後押しすることは確実で、今から2年後ののべ4千万人達成の目標は決して絵空事ではない。
日本政府は08年に観光庁を設置し、観光関連政策を打ち出して外国人観光客の誘致を進めることにした。来年1月7日から、日本では出国する観光客から1人あたり1000円を徴収する「国際観光旅客税」が始まり、その税収はWi-Fiなど通信環境の整備、国立公園や文化遺産を紹介する多言語解説の充実などに充てられる予定だ。
現時点で、日本政府が「2020年に訪日外国人観光客のべ4千万人を達成」の目標を達成するには、アジア以外の観光客源を開拓すること、訪日観光ルートを「ゴールデンルート」以外にも広げることが必要だ。現在、外国人観光客の訪問先は東京、大阪、京都のいわゆる「ゴールデンルート」に集中し、観光客源は中国と韓国が圧倒的だ。また20年東京五輪の開催時には宿泊施設が3500室不足する見込みで、民泊産業を発展させて問題を解決することが主に検討されている。
訪日観光客は日本の消費を効果的に促進している。統計をみると、17年の訪日外国人観光客の消費額は4兆4千億円に達した。過去数年間、中国人観光客が日本で腕時計、ジュエリー、家電製品などを「爆買い」することが大きなニュースになったことは、外国人観光客の日本における消費が日本の国内消費の増加と地域の経済振興に寄与し、日本経済にとって無視できない存在になったということを意味する。今年7〜9月には、一部の外国人観光客が日本での自然災害の頻発を受けて旅行の予定をキャンセルしたため、日本経済の発展は一定の影響を被り、同期の日本の国内総生産(GDP)はマイナス成長になった。
ただ、訪日外国人観光客の大幅増加は「両刃の剣」でもある。観光客が増えると、京都などの人気観光地では交通渋滞、路線バスの遅れ、混雑といった問題が起こるようになった。また外国人観光客が宿泊する施設では夜間の騒音やゴミの不始末といった問題が発生し、地元住民を悩ませている。こうした問題について、関連の政策を打ち出して十分に対策を練らなければ、観光客を誘致する力を保証し続けることはできない。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年12月29日
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