中国では元旦に合わせて12月30日から1月1日までが3連休となるのにともない、消費市場は小さな活況を呈している。そんな中、家電量販大手の蘇寧の「蘇寧極物」上海1号店がこのほどオープンした。蘇寧は今後3年間で、「蘇寧極物」を中国全土の都市に345店舗展開する計画だ。新華社が伝えた。
「蘇寧極物」を取材したところ、カプセル式コーヒーメーカーやスマイルベーカー、美容家電、畳、スーツケース、事務用品など、ネットで大人気の商品や大ヒット商品がたくさん並んでいた。
上海蘇寧易購の蒋攀・副社長は、「『蘇寧極物』は、品質やデザインを重視する80後(1980年代生まれ)や90後(90年代生まれ)の消費者をターゲットにしている。商品を仕入れる際、品質やテクノロジー、大ヒット商品、コストパフォーマンスなどを重視している。蘇寧は、実店舗を1万店舗以上抱えており、それが『蘇寧極物』のオフライン業態の基礎となっている。そして、『蘇寧極物』の実店舗のおかげで、オンラインでの売り上げも伸びている。南京新街口店を例にすると、オープン3ヶ月前と3ヶ月後のデータを比較すると、オンラインの売上高が25%増加した」と説明する。
第一財経商業データセンターが約20の機関と共同で発表した「2018中国インターネット消費の生態ビッグデータ報告」によると、中国のインターネット消費において、中堅的役割を果たしているのが80後。そして、90後の消費力もそれに追いつく勢いで、今の消費の高度化を牽引する重要な駆動力となっている。90後を代表とする若い消費者は、ひとくくりにするのが難しく、彼らの仕事や生活、消費に対する考え方は個性的で、自分の好みを優先し、体験を重視し、理性的に消費するなどの多元的特徴が見られる。
2018年を振り返って見ると、おもしろい店やユニークな店がたくさん登場した。例えば、上海に設立されたアディダスのアジア太平洋地域最大のブランドセンターは、小売店とスポーツ体験、デジタル・ソーシャルが一体となっている。個人向け海外旅行プラットフォーム「窮游網(QYER.com)」の旅行美術館は、旅行ガイドとグッズ、旅行の達人のコミュニティが一つとなっている。LEGO旗艦店では自分の顔のレゴを作ってくれる。また、人工知能(AI)の発展により、顔認証システムを導入するレストランや小売店も増加している。
窮游網の創始者である肖異・最高経営責任者(CEO)は、「若い消費者は、あまりみんなが持っていないものを買うのが好きなだけでなく、旅行でも隠れスポットに行くのが好きで、オリジナリティある旅行が大好きだ。若者は、観光スポットに行ったり、文化を体験したりするだけでなく、時には公演を見るためにどこかの都市に行くということもある。若者は、楽しい遊び方を編み出し、発掘している。それが多くの人の旅行スタイルにも影響を与えている」と分析する。
公開されている情報によると、今年1月から11月にかけて、中国の社会消費財の小売総額は前年同期比9.1%増の34兆5000億元(1元は約16.03円)に達した。また、サービスの消費も急速に伸びており、1月から9月にかけて、住民の消費に占める割合が初めて50%を超えた。消費規模もさらに拡大し、消費の構造もさらに最適化されている。
卒馬威・中国の小売り消費業界コンサルタント業務主管パートナーの林偉氏は、「現在の小売り・サービス市場においては、業界の垣根を超えた取り組みが常態化しており、市場にははっきりした境界がなくなっている。技術革新が今後、小売り・サービス市場に成長の原動力をもたらし、市場の拡大、細分化も続くだろう」との見方を示している。 (編集KN)
「人民網日本語版」2018年12月29日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn