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嫦娥4号の着陸エリア、なぜ「天河基地」と呼ばれるのか

人民網日本語版 2019年02月18日15:02

国家航天局、中国科学院、国際天文学連合(IAU)は2月15日に開いた記者会見で、月探査機「嫦娥4号」着陸エリアの名称を世界に向けて発表した。IAUの承認を経て、このエリアは「天河基地」と命名された。着陸エリア周辺に三角形状に並ぶ3つのクレーターは、「織女」「河鼓」「天津」と名付けられた。着陸エリアのフォン・カルマン・クレーター内の中央にある峰は、泰山と名付けられた。人民日報海外版が伝えた。

月に地名をつけることには、どのような意味があるのだろうか。なぜこの5つの地名が選ばれたのだろうか。月には中国の地名がどれほどあるのだろうか。

◆月の中国の地名は27個

月に地名をつけることは、17世紀初期の欧州に始まる。月探査プロジェクトの呉偉仁チーフ設計士によると、月の地名の管理と審査・批准は、世界各国が公認する権威ある天文学術機関であるIAUが担当している。それでは月の地名を申請にするには、どのような条件を満たす必要があるのだろうか。

呉氏によると、オリジナルの探査データの入手は、月に地名をつける権利を手にするための基本的な条件だ。中国は今回、月探査プロジェクトの嫦娥2号と嫦娥4号の高分解能月面映像データにより、嫦娥4号の着陸エリア及び周辺の5つの地名を申請し、2月4日にIAUから認められた。中国はこれまで、2010年8月と2015年10月にIAUから、嫦娥1号と嫦娥3号の着陸エリアの地名を認められた。3回の申請で認められた月の地名は12個。

◆中国語の地名に含まれる意味

記者会見において、嫦娥4号の着陸エリアと周辺の5つの月の地名が発表された。嫦娥4号の着陸エリアは天河基地と命名された。着陸エリア周辺に三角形状に並ぶ3つのクレーターは、織女、河鼓、天津と名付けられた。着陸エリアのクレーター内の中央にある峰は、泰山と名付けられた。

なぜこのような中国語名がつけられたのだろうか。嫦娥4号任務地上応用システム総指揮、中国科学院国家天文台副台長の李春来氏は、次のように説明した。

「天河は古代中国の銀河の別称で、中国語では「天の先河を切り拓く」という意味がある。これは嫦娥4号が人類による月探査の歴史における先河を切り拓いたことと合致している。IAUの命名の慣例によると、着陸エリアの名称の前にはラテン語の「Statio」をつけなければならない。これは英語で「基地」を意味する。そのため嫦娥4号の着陸エリアは天河基地と名付けられた」

着陸エリア周辺の3つのクレーターの名称はいずれも、古代中国の天文星図「三垣四象二十八宿」の星官だ。うち織女と河鼓は二十八宿の牛宿で、天津は女宿。3つの星官は現代の星座で言えばこと座、わし座、はくちょう座だ。3つの星座のうち最も明るい恒星は、織女一(織女星)、河鼓二(牛郎星)、天津四。この3つの恒星は有名な「夏の大三角」を作る。月の織女、河鼓、天津という地名は、この天文現象を再現しているかのようだ。

着陸エリアのフォン・カルマン・クレーター内の中央にある峰は、中国の「五岳之首」と呼ばれる泰山と同じ名称がつけられた。着陸エリアから北西に約46キロ離れた場所にあり、その標高はマイナス4305メートル。同クレーターの底部からの高さは約1565メートル。中国は初めて月の「山、山脈類」に自ら名前をつけた。IAUが「山、山脈類」の地名を認めるのは1985年以来33年ぶり。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年2月18日

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