生活コストだけでなく、正規の教育を受ける時間が長くなったことも結婚年齢を引き上げ、目下の結婚率を引き下げた要因の1つといえる。
特に経済が発達した地域では、高学歴の人材が数多く集中している。一般的にいって、切れ目なく修士課程を終えると卒業時には25〜26歳になっており、そうすると30歳前後や30歳以上で結婚しても何ら不思議はない。
浙江省婚姻家庭協会の謝需常務副会長は、「結婚したくない、結婚する力がないのは、確かに結婚率の持続的低下の原因だが、結婚者数の減少の主要因は、適齢期の人口減少だ」と指摘する。
上海金融・法律研究院の劉遠挙研究員は、「若年人口が減少しているので、結婚率が下がるのは当たり前だ。人口構造の変化と高齢化の進行にともない、結婚適齢期の人口の割合が相対的に低下しており、これから結婚率はさらに下がるだろう」と予想する。
しかし結婚率と離婚率の地域差は経済という単一の変数だけでは考えられず、社会、家族構成、民族文化、司法コントロール、人口構造などさまざまな要因を考え合わせる必要がある。
中国社会科学院社会発展戦略研究院の葛道順研究員は、「結婚率の低下と離婚率の上昇は世界の流れにマッチしている」という。経済協力開発機構(OECD)のまとめた報告にも、「ほぼすべてのOECD関係国で結婚率は過去数十年間に低下した」とある。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月10日