中国人科学者が緊急止血救命胴衣を開発

人民網日本語版 2019年05月20日14:31

浙江大学化学系の范傑教授のチームはゼオライト綿繊維複合材料を使い、「緊急止血救命胴衣」を作りあげた。この救命胴衣は一見すると普通のTシャツと変わらないが、肝心要の時に噴出する動脈血を止血し、救命救助のための貴重な時間を稼ぐことができる。この成果は先ごろ「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。新華網が伝えた。

一般的なゼオライト止血製品は粉末状で、これまでも重度出血時の病院搬送前の緊急治療に広く使われていた。しかし使用中に高温を発するため、傷口が火傷してしまい、その癒合に影響を与えてしまうリスクがあった。

范氏はゼオライト製品を改良し、これを綿繊維に植え込むことで、柔軟かつ安全でスピーディーな新型止血複合材料を作り、それを使いTシャツを作り上げた。電子顕微鏡で見ると、止血服の棉繊維には多くの小さい玉がついており、直径は5ミクロンほどとなっている。

范氏は、「ゼオライトは単純な物理吸着現象ではない。ゼオライトが血液の中からトロンビンをキャッチし活性化させることで、持続的かつ効率的にその効果を発揮し、人体そのものの凝血メカニズムを大幅に強化することが分かった。ゼオライト棉繊維複合材料は少量のゼオライトを植え込むだけで、凝血を促す効果を発揮できる。使用中の高温による火傷や、トロンビンの効果が失われる問題を回避できる」と説明した。

范氏によると、ゼオライト棉繊維複合材料はタイプの異なる傷に対応できる止血製品になる。屋外スポーツ、エクストリームスポーツの防護品にすることも、救急装備品にすることも可能だ。交通や地震などのアクシデントで効果を発揮することができるとみられている。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年5月20日

  

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