フェデックスがファーウェイの重要文書を米国に「誤送」か? (2)

人民網日本語版 2019年05月30日13:54

▽提携はしばらく回復しない

匿名の業界関係者の話によると、「フェデックスの宅配便転送事件は確かに起きたことだ。事件が起きると、双方の関係は一時はかなり緊迫し、こうして双方のコミュニケーションには障害が生じ、提携はしばらく停止することになったが、その後双方は部分的な修正を行い、問題解決の途上で調整を行った。とはいえ双方の協力は今も通常の状態に完全に戻ってはいない」という。

フェデックスが転送ミスの断固否定から認めるへと180度態度を変えたことから、中国市場を放棄できない同社の立場がうかがえる。実際、フェデックスはここ数年、発展ペースが鈍化し、業績も年々低下していた。グローバル貿易の鈍化という圧力を受けて、国際業務はますますやりにくくなり、こうした背景の下、フェデックスは中国という大きなパイを失うわけにはいかないのだ。

趙さんは、「すでに業績不振があり、加えて本土には強力なライバルがいて、フェデックスの現在の状況は非常に厳しいものだといえる。中国宅配便企業が相次ぎ上場する中、フェデックスはもともと前後を敵に挟まれていたのであり、今回の事件発生で国際的な影響力や信用レベルがさらに低下した。こうした背景の下、フェデックスは衝撃が収まるまでしばらくかかるとみられる」との見方を示した。

趙さんは今回の事件がファーウェイに与えた影響について、「短期的にはファーウェイの供給チェーンに一定の影響を与えるが、中長期的にはそれほど大きな障害にはならないだろう。ファーウェイは物流供給チェーンで相対的に整ったシステムを構築しているからだ」と述べた。

フェデックスはなぜ最初に「事実とまったく異なる」と述べたのだろうか。前出の業界専門家は、「主にブランドへの影響を考えたからだろう」とし、趙さんは、「転送事件は起きているのであり、フェデックスがどんな目的だったにせよ、ブランドの信用レベルへの影響は非常に大きい」と述べた・

中国物流学会の楊達卿・特約研究員は、「宅配便を扱う企業は信用レベルがとりわけ重要であり、特に欧米企業はビジネスの信用を事業の根幹としている。中国はフェデックスにとって世界最大の国際市場であり、フェデックスが政治的に迫られてやむなく取った行動だったなら、顧客に合理的な説明をする必要がある。たとえば一連の過程で何らかの措置を執って契約の履行を保証するとか、契約違反の賠償金を支払うなどだ。現在、日本、韓国、欧州、インドを含むエコノミーが米国に貿易をめぐって脅しをかけられている。こうしたムードの中、信用を基盤と考えないフェデックスは、中国の顧客の信頼を取り戻すことができないだけでなく、他国の顧客の信用を得ることもできなくなるだろう」との見方を示した。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年5月30日

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