ドイツの国際輸送物流会社DHLが華為技術(ファーウェイ)の宅配便の取り扱いを拒否したとのニュースがこのほど伝えられたが、今度は米国の大手物流会社フェデックス(FedEx)とファーウェイの間で問題が持ち上がった。ロイター社の今月28日付の報道によると、フェデックスはファーウェイの許可を得ずに、日本から中国のファーウェイに発送された宅配便2個を米国に転送したほか、ベトナムからファーウェイのアジアエリアのオフィスに発送された宅配便2個も米国に転送しようとしたという。フェデックスはさきに公式微博(ウェイボー)で声明を出し、「伝えられた内容は事実とまったく異なる」と述べたが、28日にまた公告を発表し、「誤送」があったと認め、「外部要因とは無関係」と述べた。「北京商報」が伝えた。
▽誤送を認める
ロイター社の28日付報道によると、ファーウェイはフェデックスとの提携について現在、審査中だ。フェデックスは何の説明もなしに、ファーウェイの宅配便を勝手に米国に転送し、別の宅配便2個も米国に転送しようとした。いずれもファーウェイの許可を得ていない。
ファーウェイがロイター社に提供した配達状況追跡記録によると、今月19日と20日に東京から中国のファーウェイへ発送された宅配便2個が、米国テネシー州メンフィスへ転送された。また17日にベトナム・ハノイから発送された2個は、21日に香港地区とシンガポールのフェデックス宅配ステーションに到着すると運送を差し止められ、「配達中に異常があった」ためとされた。この2個はファーウェイの香港地区とシンガポールのオフィスにそれぞれ送られるはずだった。
これほど頻繁に「誤送」が起きたことについて、業界の専門家は、「短い時間に2件の『誤送』事件が起きたことは、これが決して偶然ではないことを物語る」との見方を示し、宅配の専門家・趙小敏さんは、「フェデックスのようなクラスの物流企業がこんなミスを犯すはずがない」と述べた。
「誤送」には必ず原因がある。ファーウェイがロイター社に提供した電子メールによると、ファーウェイの宅配便が米国に転送されたのは、ベトナムのステーションが米国本社から、宅配便を再度預かって米国へ転送するよう求める通知を受け取ったからだという。ファーウェイは別の2個には緊急の文書も含まれていたと強調するとともに、中国の郵政監督管理機関に正式に苦情を申し立て、同機関が現在、調査を進めていることを明らかにした。
フェデックスは公式微博で、「最近SNSプラットフォームに流れた、フェデックスは顧客から預かった宅配便を没収したり、米国に転送して検査したりしているという情報は事実とまったく異なる」と述べ、今回の「誤送」事件を否認した。しかし28日になって公告でコメントを発表し、「弊社はすべてのお客様を重視し、お客様から毎日1500万個を超える宅配便を預かっている。弊社がファーウェイの少量の宅配便を誤って転送してしまったことを謝罪する。弊社はこの宅配便を転送するよう弊社に要求したいかなる外部要因もないことを確認した。当該の宅配便は返送されて送り主の元へ運送されているところだ。今回の事件は、弊社の世界45万人超の社員がお客様に求められる高い品質の運送サービスを提供するよう努力していることを裏切るものではない」と述べた。