パキスタン平和・外交研究所のアシフ所長はこのほど取材に答える中で、「中国と米国の間で勃発した経済貿易摩擦は二国間の正常な貿易を阻害させただけでなく、国際貿易と経済システムにより深刻な打撃を与えた。このところ、米国は中国からの輸入商品に対する関税を相次いで引き上げ、両国の経済貿易摩擦を絶えずエスカレートさせている。米国は中国に対して経済貿易摩擦を引き起こしたと同時に、科学技術戦争も発動した。中米両国の経済規模と国際的地位を考えると、米国のこうした挑発行為はグローバル市場に極めて大きな影響を与えている」と述べた。「経済日報」が伝えた。
アシフ所長は、「冷戦終結後、米国はずっと大国の地位を利用し、他国に対して思いのままに貿易紛争をしかけ、そうして自国の利益をはかってきた。米国の一部の人々は米国の貿易赤字を引き合いに出して政治的な主張を打ち出し、中国が改革開放の40年あまりにわたり平等互恵の原則に基づいて国際貿易を展開してきたという基本的事実を無視し、中国は米国経済の弱点を利用して対米黒字を積み上げることばかり考えていると非難する。米国が対中貿易紛争を発動すると、両国は相互に追加関税をかけ合って二国間貿易は大きなダメージを負った。さまざまな予測が示すように、中米両国の経済貿易摩擦はグローバル経済の成長の鈍化を招くのであり、その経済面での結果が発展途上国にマイナス影響を与えることになる。米国が対中貿易紛争を発動しエスカレートさせていることから、実際に世界各国の発展の利益が影響を被っている」と述べた。
またアシフ所長は、「貿易紛争は必然的に中米両国経済に影響を与えるが、中国経済には極めて大きな強靱性があることが示されており、これは主に中国に整った経済体制と巨大な国内市場があることによる。『一帯一路』(the Belt and Road)建設のさらなる深化に伴い、中国と関係国とが高水準の工業協力を展開し、質の高い生産能力の外部移転を実現することは、中国がより大きな国際市場を開拓することにつながり、米国の懲罰的関税を回避するのに役立つことになる。『一帯一路』建設において、パキスタンにはなすべきことがたくさんある」と述べた。
パキスタン政策研究所のイルファン・シニア研究員は、「米国の中国に対する経済貿易摩擦の発動は、本質的には守成の大国が新興の大国の勃興発展の途上に障害を設け、新興の大国が自国の覇者としての地位を脅かすのを遅らせようとする行為であり、そこには本来、語るべき道理もなければ公平さもない。こうした振る舞いは中国経済と世界経済に厄介ごとをもたらすが、最大の被害者はやはり米国自身だ。こうした時代の流れに合わない保護貿易主義は米国政府の指す『へぼ将棋』になるのは確実であり、ひいては米国に1920年代に出現した大恐慌を再び経験させる可能性がある。米国が現在、世界ナンバーワンの強国でありながら、自国の利益のためだけにグローバル化プロセスを逆戻りさせることに、人々は大きく失望している。米国が世界の発展の利益をまったく省みずに独断専行するのとは対照的に、中国は事態に対処する中で強い抑制の姿勢をみせており、中国が責任を果たす世界の大国であることはこれで十分にわかる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月20日