商務部の高峰報道官は19日に行われた記者会見で、「米国が中国からの輸入品2千億ドル(1ドルは約112.3円)分に関税を上乗せしようとしていることについて、中国はこれを世界貿易機関(WTO)に追加提訴した。WTOの基本原則を守るために必要な行動だ」と述べた。新華社が伝えた。
高報道官は、「米国が中国からの輸入品340億ドル分に追加関税を課したのは、WTOの最恵国待遇原則と関税引き下げ義務への違反であり、中国はこれをWTOに提訴する。米国がこのたび中国からの輸入品2千億ドル分への追加関税の対象品目リストを発表したことについても、中国はWTOに追加提訴する」と述べた。
高報道官は、「多国間貿易が必要かどうかは重大な原則の問題だ。自由貿易の原則と多国間貿易体制をみだりに破壊する者に対して、グローバル貿易パートナーがともに制定・構築したルール体系と多国間貿易体制は、遵守し保護すべきもの、遵守し保護しなければならないものであると、中国は引き続き確信する」と述べた。
高報道官によると、「米国が貿易戦争をエスカレートさせていることに対し、中国は必要な対抗措置を執らざるを得ないし、必ず執ることになる」という。
このたび米国の政府関係者が中米交渉が決裂した責任は中国にあるという発言について、高報道官は、「こうした見方は事実に合致しない。米国が一方では関税の大なたを振り回し、世界中で貿易覇権主義をまき散らしながら、また一方では自国が被った不公平さや自国の無罪を繰り返し主張し、すべての責任を相手側に押しつけようとしている」と述べた。
高報道官によると、「今年2月以降、中米は相次いで4回にわたる交渉を行い、中国は常に最大の誠意と協力ウィンウィンの態度で臨み、問題の解決を推進しようとしてきた。特に5月19日には、双方が重要な共通認識に到達し、共同声明も発表された。だが同月29日、米国は一方的に声明を発表し、共通認識に背を向けた。6月初めに双方はエネルギーと農業の分野での具体的協力で共通認識に達したが、米国は同15日、またしてもこれに背を向け、7月6日には公然と貿易戦争を発動し、同11日には事態をさらにエスカレートさせた」という。
高報道官は、「中国はこれに深い遺憾の意を表し、こうした一国主義と貿易覇権主義は受け入れられないものであるとの見方を示す。プロセス全体の実際の状況をながめると、米国はまさしく言葉は信用できず、態度もころころ変わるといった状態で、双方の交渉のドアを閉じてしまった」と述べた。
また高報道官は同日の記者会見で、「WTOの中国を対象にした第7回貿易政策審査が近くスイス・ジュネーブで終了する。今回の審査は順調だった」と述べた。
高報道官は、「今回の中国に対する貿易政策審査はWTOが加盟国に対して行う定例の政策審査であり、加盟国が特に注目している。審査では加盟国70ヶ国が発言し、WTOの審査における新記録を樹立した」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年7月20日
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