1億人の新規ユーザーに向け、各大手銀行が「ETC争奪戦」を展開

人民網日本語版 2019年06月27日15:55

数日前から、ある1枚の写真が、銀行関係者のモバイルの「モーメンツ(微信のソーシャル機能)」で広く流布されている。その写真には、炎天下で、白衣・黒ズボンを身に着けた人物が、窓がピッタリと閉まっている車の前部座席付近を熱心に覗いている様子が写っている。その写真には、「あなたの車のフロントガラス付近を覗いている人を見かけても、警察には通報しないでください。この人は、屋外で勤務中の銀行の顧客担当マネージャーで、ただETC(自動料金収受システム)が取り付けられているかどうかをチェックしているだけですから」という文字が添えられている。工人日報が伝えた。

銀行の顧客マネージャーに、「屋外労働」を強いていたのは、今まさに、各大手銀行がし烈な闘いを繰り広げている「ETC争奪戦」に他ならない。関連部門がこのほど発表した文書によると、今年、全国で約1億人のユーザーが、新たにETCを取り付ける計画であると予想されており、このことから、ETCが今年の「注目産業」となっている。

交通運輸部(省)の戴東昌副部長は今年5月10日、国務院新聞弁公室が開いた定例の政策ブリーフィングで、「2019年末までに、全国高速道路の省境料金所を原則廃止し、ETC利用による料金徴収制度を普及させ、『停車しないスピーディな料金徴収システム』を実現するよう尽力する」と発表した。交通部は6月11日に記者会見を開き、報道官はここでも多くのドライバーにETCを取り付けるよう呼びかけた。

今年3月の時点で、ETCユーザーは全国で8千万人を上回った。国家発展改革委員会と交通運輸部がこのほど共同で発表した文書によると、2019年12月末の時点で、全国のETCユーザー数は1億8千万人を突破する見通しだ。

北京市朝陽区のある事業機関で働く張景顔さんは、「ETCは、まるで最近の天気のように、突然暑くなった。昨年、新エネルギー車を購入したが、高速道路を走る機会はあまり多くないと思い、ETCは取り付けなかった。だが、最近、どの銀行に行っても、ETC取り付けの優遇策を打ち出しているのを目にする。職場にまでやって来て熱心に勧める銀行まである。かなり優遇されているので、少し心が動いている」と話した。

「取付料無料、通行料5%引」や「100元チャージで100元ボーナス」、「ガソリン代50元クーポン」など、26日に北京にある複数の銀行の支店を取材すると、どの銀行でもロビーの目立つ場所に、ETC取扱に関するPRポスターが掲示されていた。一部の銀行では、オンラインによる申請も取り扱っており、ユーザーは携帯端末で手続きを終えることもできる。ある銀行員は、「現在、各銀行ともに、ETC関連業務にノルマを設けており、顧客獲得を各支店に大々的に求めている」と明かした。

業界関係者は、「銀行にとって、マイカー族は質の高い潜在顧客であり、この機に乗じて、銀行のバンクカードやクレジットカードなど他の商品を勧めることもできる。このため、ETC普及政策が登場したのち、各銀行はいずれもETC顧客の争奪戦を繰り広げている」と分析した。(編集KM)

「人民網日本語版」2019年6月27日

  

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