「革新は根本から成長の錠前を開くカギだ」。現在、世界経済は全体として成長率が鈍化し、各種のリスクが加速的に積み上がっている。一国主義と保護主義が国際秩序と多国間貿易体制に深刻な打撃を与え、グローバル経済の安定にとって最大のリスクとなっている。こうした背景の中で、習近平国家主席の打ち出した革新型世界経済の建設に関する主張は、その時代的意義と現実的意義がより顕在化している。
2016年に浙江省杭州市で開催された主要20ヶ国・地域首脳会議(G20杭州サミット)で、中国のイニシアティブと推進の下、G20メンバーは革新的成長のためのG20ブループリント、および革新、新産業革命、デジタル経済に関する3大行動計画を共同で制定した。ブループリントは革新が幅広い分野をカバーし、革新のエコシステムを構築することを強調した。各方面は構造改革の共同文書も制定し、構造改革を通じて世界経済の中長期的成長の潜在力を高めることを強調した。これほどの成果はG20の歴史において初の快挙だった。
G20大阪サミットは引き続き新技術の応用を重点協力分野とし、デジタルセキュリティ、デジタル経済、持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)などの問題を討論する場になる。日本の慶応義塾大学経済学部の大西広教授は、「新技術革命が発展しており、革新は世界経済の発展にとってますます重要な役割を果たしている。習近平国家主席が杭州サミットで打ち出した革新型、開放型、連動型、包摂型の世界経済を共同構築するとの主張は、世界経済が直面する最も差し迫った問題から出発して、中国が責任ある大国として責任を担う姿勢を体現しており、参加各国の承認と賞賛を得た」と述べる。
革新は中国経済の発展に絶えず活力を注入する。現在、中国の研究開発(R&D)費用は世界2位で、経済規模の約2.18%を占め、戦略的新興産業、シェアリングエコノミー(共有経済)などを代表とした新原動力が絶えず成長している。中国の革新は開放的な環境の中で行われており、中国内外の連動を重視し、共同発展を追求する。「一帯一路」(the Belt and Road)の共同建設は中国が世界の共同繁栄の実現に努力し、国際協力を促進するための革新に他ならない。高い品質の「一帯一路」共同建設を推進するには、革新が重要な原動力を提供することになる。
インドのジャワハルラール・ネルー大学のスワラン・シン教授は、「中国は終始一貫して革新を重視し、革新の提唱に力を入れるのは、新時代の中国の発展のもつ鮮明な特色を顕在化すると同時に、世界経済の持続可能な成長に方向性を指し示してもいる。世界経済が多くのリスクや挑戦に直面する時、すべてのエコノミーが革新のエンジンをスタートさせ、開放、包摂、ウィンウィンの協力革新の道を共に作り出すことが特に必要だ」としている。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月28日