日本・東京の繁華街である銀座ビジネスエリアには、「アジアで最も地価が高い場所」と呼ばれるブロックにフォーチュン・グローバル500に並ぶ日本企業が集まるだけでなく、百年の歴史をもつ老舗も数百店舗ある。日本には100年以上になる企業が2万社以上あり、その大半が中小企業で、「メードインジャパン」の革新の根幹を支える存在だ。統計によれば、日本の技術革新の55%は中小企業が達成したものだという。「南方網」が伝えた。
300万社を超える日本の中小企業はいかにして製造業の革新のエネルギーの源となったのだろうか。その長寿の秘訣は何だろうか。
▽100年の歴史ある中小企業それぞれに「得意技」
日本の長寿企業研究の第一人者である日本経済大学の後藤俊夫特任教授は、「日本には100年の老舗が2万5321社あり、その多くが家族経営企業だ。日本には100年以上の歴史をもつ企業が2万社以上あるだけでなく、千年以上の歴史をもつ企業も21社あり、この数字は世界の他の国を大きく上回っている」と述べた。東京大学社会科学研究所の丸川知雄教授は別のデータを示し、「日本の企業125万社の平均年齢は40.5年で、ライフサイクルは世界の他国より遙かに長い」と指摘した。
後藤氏は、「こうした企業の多くが中小企業であると同時に、少なくとも1つの『得意技』をもっている。それが豆腐1丁だとしても、100年の時を経てきた企業にはみな生き残る上でのよりどころとなる「十八番」がある。
阪南大学の洪詩鴻教授(広東外語外貿大学広東国際戦略研究院客員教授)は、「『専念する』ことが日本中小企業の最も目立った特徴だ」との見方を示した。
日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所の丁可副主任研究員は、「専念することにより、製造業の中小企業は日本の中小企業群の中で最も生命力にあふれた、最も競争力に富んだ集団になった。日本には358万社の中小企業があり、企業総数の99.7%を占める。過去20年間、日本経済の発展ペースは相対的に遅かったが、日本の小規模・零細企業の数は経済モデル転換期にも流れに逆らって増加を続けた。社員が1-9人の企業の場合、1969年から83年にかけて、こうした企業が企業総数に占める割合は73.4%から76.3%に増加した」と述べた。
丁氏は続けて、「産業の分業体制がますます細分化し、専門化レベルがますます向上したため、専門型の小規模・零細企業がますます多く誕生した。製造業の発展にともない、加工組立型の中小企業、すなわち専門的に特定の設備、特定の部品を製造し、特定の作業プロセスを備えた中小企業の数が増加し、『隠れたチャンピオン』が続々生まれている」と述べた。