無印とイケアが王座から陥落しつつあるのはなぜ?

人民網日本語版 2019年07月26日11:14

家具・インテリアの新小売のモデルとされていた無印良品、家具・インテリアの巨大企業イケアは今や、王座から陥落しつつある。2019年7月17日、北京市市場監督管理局が行ったサンプル調査の結果、両社はそろって品質ブラックリストに名前が挙がった。無印は表示された原材料と実際に使われている原材料の不一致が主な原因で、イケアは子ども用家具2製品における「穴及びスキマ」の不合格が原因だった。筆者の調べては、イケアが不合格になったのは今年はこれが3回目だ。「北京商報」が伝えた。

製品が不合格になったのと呼応するように、無印もイケアも中国での業績が低迷している。この家具・インテリア産業の2大大手に、今やかつてのような輝きは次第に失われている。

無印とイケアにとって品質の不合格よりも苦しいのは、中国での業績の伸び悩みだ。

中国大陸部は無印の重要な市場だ。12年以降、中国では毎年30-50店舗のペースで店舗を拡張し、19年2月28日現在、日本国内には420の店舗があり、海外店舗は497店舗だ。世界店舗は地域別にみると中国大陸部が最も多く256店舗に上り、海外店舗の約半数を占める。店舗の急速拡張と対照的に、中国での売上高の増加率は低下を続ける。19年1月に無印の親会社が発表した19年度決算によると、18年度第1-3四半期の中国売上高は前年同期比9%減少した。「BoF時装商業評論」は、19年4月に無印の親会社・良品計画が発表した決算では、中国での営業利益が8年ぶりに減少し、財務状況はアナリストの予想を下回り、中国市場での売上高もまれにみる低下ぶりだったと伝えた。

無印と似ているのは、スウェーデンの家具・インテリア大手イケアの売上高の伸びもボトルネックにぶつかっていることだ。1998年に中国市場へ進出し、現在は大陸部に20あまりの店舗を構えるイケアは、中国市場での売上高が16年は前年比19.4%増加し、17年は14%増加、18年は8.4%増加と、増加率が年々低下している。イケアは世界市場でも楽観できる状態にはない。18年度の売上高は約5%増加したが、純利益は前年の24億7千万ユーロ(1ユーロは約120.3円)から14億7千万ユーロに減少し、減少率は40%だった。

▽神話が崩壊したのはなぜか

家具・インテリア界の巨人と称されたイケア、家具・インテリアの新小売のお手本とされた無印は、中国の業界関係者にとってかつては神話のような存在だった。いくつかの家具・インテリア企業、さらには中国版イケアや中国版無印良品を目指した企業にとって、頑張って近づきたい目標だった。しかしいつからだろう。輝きは次第に失われ、神話は崩壊した。

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