白いドーランを塗り、ゆったりとした衣装や個性的な衣装を身につけ、時にはリズミカル、時には幻想的な音楽にのりながら繰り広げられる「舞踏」。今月26 日、日本人舞踏家・原田伸雄氏による公演が北京の后山芸術空間で行われた。打ちっぱなしのコンクリートというシンプルなステージを取り囲むように座った観客たちは舞踏家たちの肉体が織りなす様々な「世界」を一心に観ていた。人民網が伝えた。
原田伸雄氏は舞踏の持つ劇薬のような混沌に触れ、演劇から舞踏に転身。現在は福岡に拠点を移して舞踏靑龍會を主催し、定期的にワークショップや公演を行っている。海外でも同様の活動を展開しているが、そのなかでも「中国と一番縁が深い」と原田氏が語るように、中国には毎年のように訪れているという。
公演には原田氏のほか、舞踏靑龍會のメンバーや公演に先立ち24日と25日の2日間にわたり開かれたワークショップに参加したメンバーも出演。「強制はしないが、何らかの形で全員ステージに上がろうという気持ちから、エンディングで全員に踊ってもらった」と原田氏が語るように、最後の群舞では、ステージの四方からダンサーたちが次々と現れ、観客席に座っていたメンバーをも巻き込み、取り込み、1つになっていく。「言語を越えたもっと普遍的な交流」がそこにはあった。(文・玄番登史江)
「人民網日本語版」2019年7月30日