米国経済の背を折る最後のワラは何か? (2)

人民網日本語版 2019年08月26日10:35

FRBの信頼性も一定の役割を果たし、FRBは長期にわたりインフレ率を2%前後にコントロールするだろうと信じる人は多い。なぜなら、価格の急速な上昇の懸念はなく、しかも政府が当面深刻な経済衰退を抑制する有効な手段をもたないことから、経済成長ペースが鈍化すれば、FRBは金融緩和政策を取る意思を示すとみられるからだ。

こうしたことは次のような見方をサポートしている。経済衰退のよくある触発要因は今は存在しておらず、経済成長の好調期はあと数年は続くという見方だ。しかし問題は、経済情勢に変化が起きれば、リスクもそれにともなって変わるということだ。こうしてみると、問題がどこに出現するか確定することは難しいが、少なくとも次の3つの新しい問題が目の前に迫ってきたということは言える。

まず、米国の外見は立派な大企業に人には知られていないいくつかの問題が存在することだ。製造業に従事する会社が減少しているにもかかわらず、多くの企業は引き続きグローバル製造チェーンに依存しており、これは今、貿易戦争の打撃を受けている。こうしたことが投資経済の力を削ぎ、経済に大きな打撃を与えることになる。もしアップルと中国の工場との協力を禁じたなら、必ず大きな影響があることが想像できる。

次に、金融リスクがあることだ。不動産と銀行はコントロールされているが、個人の債務全体は引き続きGDPの2.5倍という歴史的高水準にあり、資産価格と貸出資金の安定を維持しようとすれば、長期貸出の金利が低い環境がぜひとも必要になる。金利が上がれば、多くの企業が大変困ることになり、債務市場にも問題が生じる。例えば18年末には債務返済のための資産の投げ売りがあった。金利が下げれば、FRBは金利を限りなくゼロに近づけるとともにこれを長期間維持して、経済成長を維持しなければならなくなる。こうしたことは銀行の地位を弱め、現在の欧州のような事態を招く。

最後に、危険が政治から来ることだ。経済が狭い道を歩むのにともない、経済政策は従来の境界が曖昧になり、ここ10年ほどの賃金の遅すぎる伸びに対する不満が原因の1つになっている。トランプ米大統領は減税とFRBへの攻撃によって経済成長を促進しようとし、民主党支持者の大半は大規模な政府の財政出動を望み、より多くの極端な政策が練られている。左翼陣営からみると、現代の金融理論と大規模な国の干渉政策は同じように非常に人気があり、トランプ大統領がこのほどFRBに推薦した理事候補の1人は金本位制を支持している。粗野な政策の新時代が幕を開けたところかもしれず、米国の長期的で平和な発展はこれから大きな脅威に直面することが予想される。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年8月26日

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