新学期が始まった。海外での遊学を終え、母国のキャンパスに戻って来た学生がいる一方で、荷物を背負い、異国で勉学に励むため旅立った学生もいる。中国青少年研究センターと日本の国立青少年教育振興機構、韓国青少年政策研究院が2011年と2018年の2度にわたり共同で実施した「中米日韓4ヶ国の高校生の留学および国際交流に関する意識比較研究」では、4ヶ国の高校生の留学と国際交流に対する意識の違いを分析している。同研究は、留学と海外交流の本当の意義と内容について掘り下げることを意図して実施された。光明日報が伝えた。
【子供の海外留学に賛成する保護者の割合は4ヶ国のうち中国がトップ】
2018年の調査によると、「海外留学に興味がある」とした中国の高校生は59.3%に上り、4ヶ国中第3位だった。他の3ヶ国のこの割合は、米国が69.3%、韓国が67.2%、日本が51.4%だった。
統計データによると、中国の高校生は、留学に対して興味を抱いており、留学に関する情報を得る、あるいは影響を受けるソースについては、「テレビやインターネットなど各種メディア」(45.2%)、「同級生・友人」(33.2%)、「自ら海外に出向き、現地での交流を通じて」(30.7%)、「家族」(29.4%)、「有名人やアイドル」(24.9%)、「教師」(14.3%)、「留学仲介業者」(8.6%)などが挙がった。留学をめぐって日本の高校生が影響を受けるトップ3は、中国とほぼ同じだったが、米国の高校生では、「家族」がトップ、第2位が「メディア」、第3位が「同級生・友人」だった。
このほか、中国の保護者の約7割(67.5%)が、子供の海外留学に賛成しており、4ヶ国の中でトップを占めた。この割合は、米国が61.1%、日本が54.1%、韓国が44.5%だった。また、「留学に向けすでに準備を始めた」とした高校生は、中国が19.4%で4ヶ国中で首位を占め、米国(13.9%)、韓国(5.5%)、日本(2.7%)が続いた。4ヶ国の中で、子供の海外留学に賛成する保護者の割合が最も高いのは中国で、かつ、その割合は子供の留学に対する興味より高いことは、現段階で、中国の保護者が、子供のためにより質の高い教育資源を強く求めている状況を反映している。
【4ヶ国の高校生が留学を考える際に最も障害となるのは、慣れない環境と異言語によるコミュニケーション問題】
海外留学の動機と理由は、高校生の留学期間および留学先の選択を大きく左右する要素となる。統計データによると、中国の高校生にとって留学する理由のトップは、「視野を広げるため」(86.0%)、「豊かな人生経験をするため」(76.4%)で、この点については米国、日本、韓国も同じ順位だった。第3位と第4位は、「興味のあるスキルや専門技術を学びたい」(63.8%)と「海外の先進的な知識を身につけたい」(63.7%)で、他の3ヶ国よりいずれも10ポイント以上高かった。5番目の理由は、「外国語のレベルを高めたい」(54.9%)だった。
だが、各国の高校生が「留学を望まない」理由は、国によってかなりの差がみられた。中国の高校生の場合、理由のトップは、「両親・家族と離れたくない」(57.6%)だった。米国の高校生も、「両親・家族と離れたくない」が63.8%で首位。日本の高校生の場合は、「自国の方が住みやすいから」(54.7%)が理由のトップだった。韓国のトップは、「言語上のコミュニケーション問題が存在するから」(56.9%)。「言語上のコミュニケーション問題」と「経済的理由」が、4ヶ国の高校生が「留学を望まない」理由上位6位にランクインしていた。「安全上の問題」は、アジア3ヶ国の高校生の「留学を望まない」理由トップ5に入っていた。このほか、「海外生活に慣れない」、「自国の方が住みやすい」、「一人で海外生活をおくる自信がない」などが、各国の高校生が留学に二の足を踏む理由として多く挙がっていた。